PE6-045|公共・政治経済 対策問題
ビルトイン・スタビライザーについての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
累進課税や社会保障制度が、景気変動を自動的に和らげる働きをすることをいう
この問題のポイント
ビルトイン・スタビライザーとフィスカル・ポリシーの区別を問う問題。「自動的」か「裁量的」かで判別できる。
解説
ビルトイン・スタビライザー(景気の自動安定化装置)とは、財政制度そのものに組み込まれた、景気変動を自動的に緩和する働きをいう。
仕組みの柱は2つある。
- 累進課税: 好況で所得が増えると税負担が自動的に重くなって消費の過熱を抑え、不況で所得が減ると税負担が軽くなって消費を下支えする
- 社会保障: 不況で失業が増えると雇用保険の給付が自動的に増えて需要を支え、好況期には給付が減る
ポイントは、政府や国会が新たな決定をしなくても制度が自動で働くことである。
これに対し、政府が状況を判断して減税や公共投資の拡大を裁量的に行う政策は**フィスカル・ポリシー(補整的財政政策)**と呼ばれ、ケインズの有効需要の理論に基づく。共通テストでは両者の区別が繰り返し問われている。
ひっかけポイント
「自動的=ビルトイン・スタビライザー」「裁量的=フィスカル・ポリシー」の対比が最頻出。国債売買による金利調節は日銀の金融政策である。
選択肢の確認
①「政府が景気に応じて裁量的に公共投資を増減させる政策をいう」
❌ 誤り。
景気に応じた裁量的な公共投資の増減はフィスカル・ポリシー(補整的財政政策)であり、自動的に働くビルトイン・スタビライザーと区別される。
②「日本銀行が国債を売買して金利を調節することをいう」
❌ 誤り。
国債売買による金利調節は日銀の公開市場操作であり、財政制度の自動安定化機能ではない。
③「企業が在庫を自動的に調整する仕組みをいう」
❌ 誤り。
企業の在庫調整は民間の経営行動であり、財政制度に組み込まれた景気安定化の仕組みではない。
④「累進課税や社会保障制度が、景気変動を自動的に和らげる働きをすることをいう」
✅ 正しい。
正解。累進課税と社会保障(雇用保険など)は、好況期に需要を抑え不況期に下支えする働きを制度として内蔵しており、これをビルトイン・スタビライザーという。
覚えるポイント
- ビルトイン・スタビライザー=制度による自動の景気調整
- 柱は累進課税と社会保障(雇用保険)
- 裁量的なフィスカル・ポリシーと区別する
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。