KO5-008公共・倫理 対策問題

公共A 公共の扉(2) 人間としての在り方生き方

聖徳太子(厩戸王)の思想の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

十七条憲法で和を尊ぶことを掲げ、人は皆欲望を離れられない凡夫であるとの自覚を説いた

この問題のポイント

日本に仏教を受容した聖徳太子の思想を問う。十七条憲法の「和」と凡夫の自覚という核心を、後世の親鸞や本居宣長と混同しないことが鍵。

解説

聖徳太子は6世紀末から7世紀初め、推古天皇のもとで政治を担い、仏教を積極的に受容して国づくりの支柱とした。
604年に定めたとされる十七条憲法は、役人の心構えを示したもので、第一条の和を以て貴しとなすが有名である。ここでの和は、単なるなれ合いではなく、人々が議論を尽くして事を決めるための土台とされている。
その前提には、人は皆、欲望や執着を離れられない凡夫であるという仏教的な人間観がある。自分だけが正しいのではなく、互いに凡夫であると自覚するからこそ、相手の意見に耳を傾ける和が成り立つ。第二条では篤く三宝を敬えと述べ、仏・法・僧の三宝を尊ぶことを求めた。
晩年の言葉と伝えられる世間虚仮、唯仏是真(世間は仮のものであり、ただ仏のみが真実である)には、深い仏教理解がうかがえる。

ひっかけポイント
悪人正機は鎌倉時代の親鸞、漢意の排除と真心は江戸時代の本居宣長で、時代も文脈も全く異なる。聖徳太子は仏教を排斥ではなく受容した点も方向を逆にされやすい。

選択肢の確認

①「十七条憲法で和を尊ぶことを掲げ、人は皆欲望を離れられない凡夫であるとの自覚を説いた」
正しい。
正解。聖徳太子は十七条憲法の第一条で和を以て貴しとなすと掲げ、その前提として、人は皆欲望を離れられない凡夫であるという仏教的な自覚を説いた。

②「仏教を排斥し、神々への祭祀のみを国の基本とした」
誤り。
誤答理由: 聖徳太子は仏教を排斥ではなく積極的に受容し、第二条で篤く三宝を敬えと定めた。仏教排斥では方向が正反対である。

③「自力で善を行えない悪人こそ阿弥陀仏の救いの対象であると説いた」
誤り。
誤答理由: 悪人正機は鎌倉時代の親鸞の教えである。飛鳥時代の聖徳太子とは時代も文脈も全く異なる。

④「漢意を排して、生まれながらの真心に従うべきだと説いた」
誤り。
誤答理由: 漢意を排して真心に従うことを説いたのは江戸時代の国学者本居宣長である。日本思想史上の人物の看板思想の入れ替え。

覚えるポイント

  • 十七条憲法の第一条は和を以て貴しとなす
  • 和の前提に凡夫の自覚という仏教的人間観
  • 篤く三宝を敬え、世間虚仮唯仏是真も太子の言葉

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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