RN7-004公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(1) 古代日本の思想と仏教受容

聖徳太子の仏教理解を示す言葉「世間虚仮、唯仏是真」の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

世俗の世界は仮のものであり、仏の教えのみが真実であるという、深い仏教理解を示す言葉である

この問題のポイント

「世間虚仮、唯仏是真」の意味を問う問題。世俗の相対性と仏法の真実性という対比を読み取る。

解説

世間虚仮、唯仏是真(せけんこけ、ゆいぶつぜしん)」は、聖徳太子が晩年に語ったと伝えられる言葉で、妃が太子の死後に作らせた天寿国繡帳に記されている。世間、すなわち世俗の世界は虚しい仮のものであり、ただ仏の教えのみが真実である、という意味である。
権力の中枢にあった太子が、現世の栄華のはかなさを見つめ、仏法にこそ究極の真実を求めたことを示す言葉として重視される。また太子は、法華経・勝鬘経・維摩経の三つの経典を注釈した**『三経義疏』の作者と伝えられ、人はみな煩悩を抱えた凡夫**であるという自覚(憲法十七条第十条)とあわせて、日本における仏教受容の出発点に位置づけられる。
仏教を単なる現世利益の呪術としてではなく、世界観・人間観として深く受けとめた点が評価されている。

ひっかけポイント
現世利益の思想と取り違えさせる選択肢が定番。意味は正反対で、現世のはかなさの自覚こそがこの言葉の核心である。専修念仏は平安末期以降の法然の思想。

選択肢の確認

①「世俗の世界は仮のものであり、仏の教えのみが真実であるという、深い仏教理解を示す言葉である」
正しい。
正解。世間虚仮、唯仏是真は、世俗の世界は仮のもので仏の教えのみが真実だという意味で、太子の深い仏教理解を示す。

②「現世での利益や繁栄こそが仏教の目的であるという、現世利益の思想を示す言葉である」
誤り。
誤答理由: この言葉は現世の栄華のはかなさの自覚を示すものであり、現世利益を仏教の目的とする理解は意味が正反対である。

③「日本の神々こそが真実であり、仏は仮の姿にすぎないという神道優位の思想を示す言葉である」
誤り。
誤答理由: 神道優位や神仏の本迹関係を述べた言葉ではない。神を本地とする考えは後世の反本地垂迹説であり、太子の言葉とは無関係である。

④「念仏を唱えれば誰でも極楽に往生できるという専修念仏の思想を示す言葉である」
誤り。
誤答理由: 専修念仏は平安末期以降の法然の教えであり、飛鳥時代の聖徳太子の言葉の説明としては時代も内容も合わない。

覚えるポイント

  • 世間虚仮、唯仏是真=世俗は仮、仏のみ真実
  • 『三経義疏』は法華・勝鬘・維摩の三経の注釈
  • 凡夫の自覚とともに日本仏教受容の原点

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN7-003RN7-005