RN9-027公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(2) 鎌倉仏教

次の資料は、ある仏教者の言葉である。「善人でさえ往生を遂げる。まして悪人はなおさらである。自分の力で修行して悟りを開けない煩悩深き者こそ、阿弥陀仏の本願がまさに救おうとしている相手だからである(要旨)」。この言葉を残した人物として最も適切なのは誰か。

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正解: 2

正解

親鸞

この問題のポイント

悪人正機説の資料から親鸞を特定できるかが問われる。師の法然や他の鎌倉仏教の開祖との区別が軸。

解説

資料は弟子の唯円が著した『歎異抄』に伝えられる親鸞悪人正機説の要旨である。
ここでいう悪人とは、自力では修行を成し遂げられず、煩悩を断ち切れないと自覚した凡夫のことである。自分の善根をたのむ善人よりも、自力を捨てて阿弥陀仏の本願にすがるほかない悪人こそが、救いの正機(まさに救われる対象)だとされる。
親鸞は、念仏を唱えることさえ自分の力ではなく阿弥陀仏のはからいによるとする絶対他力の立場を徹底し、すべてを仏に委ねるあり方を自然法爾と呼んだ。浄土真宗の開祖とされ、主著に『教行信証』がある。
師の法然は、ひたすら念仏を唱える専修念仏を説いた浄土宗の開祖であり、親鸞はその教えを他力の徹底という方向で深めた。

ひっかけポイント
専修念仏の法然、踊念仏の一遍、題目の日蓮との識別が定番。悪人正機・絶対他力・自然法爾は親鸞のキーワードである。

選択肢の確認

①「日蓮」
誤り。
誤答理由: 日蓮は法華経の題目を唱えることを説いた日蓮宗の開祖であり、阿弥陀仏の本願による救いを語る資料とは立場が異なる。

②「親鸞」
正しい。
正解。善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をやという悪人正機は、『歎異抄』に伝えられる親鸞の教えであり、自力を頼めない凡夫こそ本願の救いの対象とする。

③「法然」
誤り。
誤答理由: 法然は専修念仏を説いた浄土宗の開祖で親鸞の師にあたるが、悪人正機説として資料の言葉が伝えられているのは親鸞である。

④「一遍」
誤り。
誤答理由: 一遍は踊念仏で教えを広めた時宗の開祖であり、資料の悪人正機の言葉の主ではない。

覚えるポイント

  • 悪人正機は『歎異抄』に伝わる親鸞の教え
  • 絶対他力・自然法爾を徹底した
  • 法然は専修念仏、親鸞は浄土真宗で区別

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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