RN9-004公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(3) キリスト教とイスラーム

次の資料は、ある宗教者の教えである。「敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。自分を愛してくれる人を愛したところで、何の報いがあろうか。天の父は、悪人の上にも善人の上にも太陽を昇らせてくださる(要旨)」。この資料に示された考え方の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

敵と味方の区別なくすべての人に注がれる神の無差別・無償の愛にならい、人も隣人愛を実践すべきだという考え方

この問題のポイント

イエスの説くアガペー(神の愛)と隣人愛の資料読解。敵をも愛せよという教えの根拠が神の無差別の愛にあることを読み取る。

解説

資料はイエスの山上の垂訓の要旨である。イエスの説く神の愛(アガペー)は、相手の価値や見返りを問わない無差別・無償の愛であり、太陽が善人にも悪人にも昇るように、すべての人に等しく注がれる。
この神の愛にならって、人間も敵をも含むすべての人を愛すべきである。これが隣人愛の教えであり、「心を尽くして神を愛せよ」という神への愛とともに律法の中心とされた。
「自分にしてほしいと望むことを、人にもそのようにせよ」という黄金律も、この隣人愛の積極的な表現である。
イエスは律法を形式的に守ること自体を目的とする律法主義を批判し、律法の精神である愛の内面化を求めた。

ひっかけポイント
身近な者への愛から押し広げる儒教の仁や、理想へのあこがれであるエロースとの対比が定番。アガペーは無差別・無償である点が特徴。

選択肢の確認

①「律法の規定を厳格に守る行いそのものによって、神からの救いが得られるという考え方」
誤り。
誤答理由: 律法の行いによる救いはイエスが批判した律法主義の立場であり、資料は愛の内面化を求めている。

②「愛とは、真善美という理想の世界に向かって上昇しようとするあこがれであるという考え方」
誤り。
誤答理由: 真善美へのあこがれとしての愛はプラトンのエロースであり、無償で注がれるアガペーとは方向が逆の愛である。

③「敵と味方の区別なくすべての人に注がれる神の無差別・無償の愛にならい、人も隣人愛を実践すべきだという考え方」
正しい。
正解。資料は山上の垂訓の要旨で、太陽が善人にも悪人にも昇るように神の愛(アガペー)は無差別・無償であり、人もそれにならって敵をも含む隣人愛を実践すべきだと説く。

④「家族への自然な愛情を出発点として、身近な者から順に愛を押し広げていくべきだという考え方」
誤り。
誤答理由: 身近な肉親への孝悌を出発点に愛を押し広げるのは儒教の仁の考え方であり、敵味方の区別なく愛せよと説く資料の趣旨とは異なる。

覚えるポイント

  • アガペーは見返りを求めない無差別・無償の愛
  • 神への愛と隣人愛が律法の中心
  • 律法主義批判と黄金律をセットで押さえる

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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