RN9-005|公共・倫理 対策問題
次の資料は、ある宗教の教えである。「信者はみな兄弟である。富める者は貧しい者に施しをせよ。神の前ではアラブ人も非アラブ人も優劣はなく、ただ神を畏れる心の深さによって尊さが決まる(要旨)」。この資料の考え方を含む宗教についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
唯一神アッラーへの絶対的帰依を説き、信仰告白や礼拝、喜捨などの実践を通じて信徒の平等と相互扶助を重んじる
この問題のポイント
イスラームの教えの核心である唯一神への帰依と信徒の平等・相互扶助を、資料から読み取れるかが問われる。
解説
資料はイスラームの教えの要旨である。イスラームとは唯一神アッラーへの絶対的帰依を意味し、聖典クルアーン(コーラン)は預言者ムハンマドに下された神の言葉とされる。
信者(ムスリム)の義務としては、信じるべき六つの対象(六信)と、実践すべき五つの行い(五行)が定められている。五行は信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼であり、資料の「施し」は貧者を助ける喜捨(ザカート)にあたる。
資料が示すように、イスラームでは神の前の人間の平等が強調され、民族や身分による差別を否定し、信徒の共同体(ウンマ)の相互扶助を重んじる。
聖職者という特別な身分を置かない点も特徴である。
ひっかけポイント
喜捨(ザカート)を単なる善意の寄付と混同させたり、聖職者制度があるとする誤答が定番。五行という信者の義務である点を押さえる。
選択肢の確認
①「出家して厳しい修行に専念した者だけが救われるとし、在家の信者の救いを認めない」
❌ 誤り。
誤答理由: 出家者のみの救いを説く立場は部派仏教などにみられるもので、信徒の共同体の平等と相互扶助を重んじるイスラームの教えではない。
②「唯一神アッラーへの絶対的帰依を説き、信仰告白や礼拝、喜捨などの実践を通じて信徒の平等と相互扶助を重んじる」
✅ 正しい。
正解。資料は神の前の平等と喜捨による相互扶助を示しており、唯一神アッラーへの絶対的帰依と五行(信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼)の実践を重んじるイスラームの教えにあたる。
③「多くの神々を崇拝する多神教であり、生まれによる身分の区別を宗教的に正当化している」
❌ 誤り。
誤答理由: イスラームは厳格な一神教であり、多神教でも身分制度を正当化する宗教でもない。資料も神の前の優劣の否定を明言している。
④「神の子である救い主への信仰を中心とし、教会の聖職者を通じてのみ神の救いが与えられるとする」
❌ 誤り。
誤答理由: イエスを神の子・救い主とするのはキリスト教であり、イスラームはイエスを預言者の一人と位置づける。また聖職者身分を置かない点も異なる。
覚えるポイント
- イスラームはアッラーへの絶対的帰依を意味する
- 五行は信仰告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼
- 神の前の平等を説き聖職者身分を置かない
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。