RN9-006|公共・倫理 対策問題
次の資料は、ある宗教者の教えである。「これがあるとき、かれがあり、これが生ずることから、かれが生ずる。これがないとき、かれはなく、これが滅することから、かれが滅する(要旨)」。この資料に示された考え方の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 1
正解
すべての存在は他との相互依存の関係の中で生滅しており、それ自体で独立した不変の実体はないという考え方
この問題のポイント
ブッダの縁起の法の資料読解。すべてが相互依存の関係で成り立つという考え方と、諸行無常・諸法無我とのつながりが問われる。
解説
資料はブッダ(ゴータマ=シッダッタ)の説いた縁起の法の要旨である。縁起とは、あらゆる存在や現象は原因(因)と条件(縁)が寄り集まって相互に依存しながら成立している、という真理である。
したがって、それ自体で独立して存在する不変の実体はなく(諸法無我)、すべては移り変わる(諸行無常)。この道理を知らず、永遠でないものに執着する煩悩こそが苦の原因である。
ブッダは、苦の原因である渇愛(執着)を滅すれば苦は滅するという四諦の教えを説き、快楽と苦行の両極端を避ける中道、具体的には八正道の実践を勧めた。
縁起の自覚は、生きとし生けるものへの慈悲の実践にもつながっていく。
ひっかけポイント
ウパニシャッド哲学の不変のアートマン(我)と混同させる誤答が定番。仏教は無我を説き、固定的実体を否定した。
選択肢の確認
①「すべての存在は他との相互依存の関係の中で生滅しており、それ自体で独立した不変の実体はないという考え方」
✅ 正しい。
正解。資料は縁起の法の要旨であり、すべての存在が原因と条件に依存して生滅し、独立した不変の実体(我)はないという諸法無我・諸行無常の教えを示している。
②「万物の内には永遠不変の我(アートマン)が本体として存在しているという考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 永遠不変のアートマンを万物の本体とするのはウパニシャッド哲学であり、ブッダはこれを否定して無我を説いた。
③「世界は唯一の人格神の意志によって創造され、その摂理によって支配されているという考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 唯一神による創造と摂理は一神教の世界観であり、相互依存による生滅を説く縁起の考え方とは異なる。
④「人生の出来事はすべて生まれる前から定められており、いかなる努力によっても変えられないという考え方」
❌ 誤り。
誤答理由: 仏教は変えられない宿命論を説くのではなく、苦の原因である執着を八正道の実践によって滅することができると説く。
覚えるポイント
- 縁起はすべてが相互依存で成立するという真理
- 諸行無常・諸法無我・一切皆苦が仏教の基本
- 四諦と八正道(中道)で苦の克服を説いた
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。