RN9-011|公共・倫理 対策問題
次の資料は、ある宗教改革者の主張である。「人が義とされるのは、律法の行いによるのではなく、ただ信仰による。キリスト者はすべて等しく司祭であり、信仰のよりどころは聖書のみである(要旨)」。この主張をした人物として最も適切なのは誰か。
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正解: 1
正解
ルター
この問題のポイント
信仰義認説・万人司祭主義・聖書中心主義という三つの主張から、宗教改革を開始したルターを特定できるかが問われる。
解説
資料はドイツの宗教改革者ルターの主張の要旨である。ルターは1517年、教会の贖宥状(免罪符)販売を批判する九十五か条の論題を発表し、宗教改革の口火を切った。
彼の主張の柱は三つある。人が救われるのは行いや功績ではなく信仰のみによるとする信仰義認説。信仰者はすべて神の前で平等な司祭であり、聖職者と信徒の区別を認めない万人司祭主義。そして信仰の根拠を教会の権威ではなく聖書のみに置く聖書中心主義であり、彼は聖書のドイツ語訳を行って民衆に開いた。
また、世俗の職業を神から与えられた**召命(天職)**とみなし、職業労働に宗教的な意義を認めた。この職業観はカルヴァンに受け継がれ徹底されていく。
ひっかけポイント
予定説を説いたカルヴァンとの混同が定番。信仰義認・万人司祭・聖書のみの三本柱はルター、救いの予定と職業倫理の徹底はカルヴァン。
選択肢の確認
①「ルター」
✅ 正しい。
正解。信仰義認説・万人司祭主義・聖書中心主義の三つの主張はルターの宗教改革の柱であり、九十五か条の論題で贖宥状を批判して改革の口火を切った。
②「カルヴァン」
❌ 誤り。
誤答理由: カルヴァンは救いの予定説と禁欲的職業倫理で知られるスイスの改革者であり、資料の三本柱を最初に掲げたのはルターである。
③「エラスムス」
❌ 誤り。
誤答理由: エラスムスは『愚神礼賛』で教会を風刺した人文主義者だが、自由意志を擁護してルターと論争しており、資料の主張者ではない。
④「トマス=アクィナス」
❌ 誤り。
誤答理由: トマス=アクィナスは中世スコラ哲学の大成者で、信仰と理性の調和を説いた人物であり、宗教改革の主張とは時代も立場も異なる。
覚えるポイント
- ルターは信仰義認説・万人司祭主義・聖書中心主義
- 九十五か条の論題で贖宥状を批判
- 職業を神の召命とみなし聖書をドイツ語訳した
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。