RN9-053|公共・倫理 対策問題
宗教改革者ルターとカルヴァンの立場の比較として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
ルターは信仰義認説と万人司祭主義を唱えたのに対し、カルヴァンは救いの予定説を説き禁欲的な職業倫理を徹底した
この問題のポイント
宗教改革の二人の中心人物の対比。信仰義認・万人司祭のルターと、予定説・職業倫理のカルヴァンの対応が問われる。
解説
ルターは、贖宥状販売への批判(九十五か条の論題)から宗教改革を開始し、人は信仰のみによって義とされるという信仰義認説、すべての信仰者が神の前で平等な司祭であるとする万人司祭主義、聖書のみを信仰の根拠とする聖書中心主義を唱えた。職業を神からの召命とみる職業観も示した。
カルヴァンはこの流れを受け継ぎつつ、救われる者は神によってあらかじめ定められているという予定説を徹底した。人は救いの確信を得るために、神の栄光を現すべく職業労働に禁欲的に励むことが求められた。この倫理が商工業者の精神的支柱となり、ウェーバーが資本主義の精神との関連を論じたことは有名である。
両者とも職業を肯定したが、カルヴァンにおいて禁欲的職業倫理として徹底された点が違いである。
ひっかけポイント
信仰義認と予定説の担い手の入れ替えが定番。改革の口火と三大原理はルター、予定説と職業倫理の徹底はカルヴァンと整理する。
選択肢の確認
①「両者はともに、教会の権威と聖職者の特別な身分を強く擁護した」
❌ 誤り。
誤答理由: 両者は教会の権威と聖職者の特権をまさに批判した宗教改革者であり、擁護したという説明は正反対である。
②「両者はともに、世俗の職業労働を卑しいものとして退けた」
❌ 誤り。
誤答理由: 両者はともに世俗の職業を神の召命として肯定しており、職業労働を卑しむ中世的職業観とは逆の立場である。
③「ルターは信仰義認説と万人司祭主義を唱えたのに対し、カルヴァンは救いの予定説を説き禁欲的な職業倫理を徹底した」
✅ 正しい。
正解。ルターは信仰義認説・万人司祭主義・聖書中心主義を唱えて宗教改革の口火を切り、カルヴァンは予定説を説いて禁欲的な職業倫理を徹底した。
④「ルターは予定説を説いたのに対し、カルヴァンは信仰義認説を初めて唱えて贖宥状を批判した」
❌ 誤り。
誤答理由: 二人の教説が入れ替わっている。信仰義認と贖宥状批判はルター、予定説はカルヴァンである。
覚えるポイント
- ルターは信仰義認・万人司祭・聖書中心
- カルヴァンは予定説と禁欲的職業倫理
- ウェーバーはカルヴァン派の倫理と資本主義を関連づけた
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。