KO8-020公共・倫理 対策問題

公共A 公共の扉(3) 公共的な空間における基本的原理

三菱樹脂事件の最高裁判決(1973年)の内容として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

憲法の人権規定は私人間に直接適用されず、企業には採用の自由が広く認められるとした

この問題のポイント

三菱樹脂事件の判決内容を問う。人権規定の私人間効力について間接適用説に立ち、採用の自由を広く認めた点が核心。

解説

三菱樹脂事件は、学生運動歴を隠していたことを理由に本採用を拒否された社員が、思想・信条の自由(19条)や法の下の平等(14条)への違反を主張して争った事件である。
1973年の最高裁判決は、憲法の自由権・平等権の規定は国家と個人の関係を規律するものであり、企業と個人のような私人間の関係に直接適用されないとした。私人間の人権侵害は、民法90条(公序良俗)などの規定の解釈を通じて間接的に調整される(間接適用説)。
そのうえで判決は、企業には契約の自由の一環として、誰をどのような条件で雇うかを決める採用の自由があり、特定の思想を理由に雇い入れを拒んでも当然に違法とはいえない、と述べた。
憲法は本来「国家権力を縛る法」であるという立憲主義の理解と結びつけて出題される、私人間効力の代表判例である。

ひっかけポイント
「直接適用される」と「直接適用されない」の逆転が最大の引っかけ。判決は採用拒否を違憲・無効とはしていない点にも注意。

選択肢の確認

①「憲法の人権規定は企業と個人の関係にも直接適用されるとした」
誤り。
直接適用されるとした、という逆の内容。最高裁は人権規定が国家と個人の関係を規律するものだとした。

②「思想を理由とする採用拒否は憲法違反であり、本採用の拒否は無効とした」
誤り。
最高裁は思想を理由とする採用拒否を当然に違法とはいえないとしており、違憲・無効の判断はしていない。

③「企業の採用の自由は法律によって全面的に禁止されているとした」
誤り。
企業の採用の自由は契約の自由の一環として認められており、法律で全面的に禁止されてはいない。

④「憲法の人権規定は私人間に直接適用されず、企業には採用の自由が広く認められるとした」
正しい。
正解。1973年の最高裁判決は、憲法の人権規定は私人間に直接適用されないとし(間接適用説)、企業の採用の自由を広く認めた。

覚えるポイント

  • 三菱樹脂事件=人権規定の私人間効力が争点
  • 最高裁は直接適用を否定(間接適用説)
  • 企業の採用の自由を広く認めた(1973年)

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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