RN4-010公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(3) キリスト教とイスラーム

アウグスティヌスの思想についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

原罪を負う人間は自由意志では善をなしえず、神の恩寵によってのみ救われるとした

この問題のポイント

アウグスティヌスの恩寵論を問う問題。「原罪→自力では救われない→恩寵のみ」という論理と、教会の権威を重んじた点を押さえる。

解説

アウグスティヌスは、古代末期の教父(正統教義を確立した教会の指導者)の最大の人物である。
若い頃は欲望と迷いの生活を送り、マニ教に傾倒したが、苦悩の末に回心した。その体験は自伝『告白』に赤裸々に記されている。
彼は、自らの体験を通じて、原罪を負う人間の意志がいかに無力かを痛感した。人間は自由意志によって善を選び取ることができず、救いはただ神の一方的な恵み、すなわち恩寵によるほかない。この立場から、人間の自由意志による救いを説くペラギウスと論争した。
また恩寵は教会を通じて与えられるとして教会の権威を基礎づけ、歴史を神の国と地上の国のたたかいとして描く『神の国』を著した。その神学は、以後1000年に及ぶ中世キリスト教世界の思想の枠組みを定めた。

ひっかけポイント
自由意志・教育による自力の完成という説明は恩寵論と正反対。アウグスティヌスは教会の権威を否定ではなく確立した側である。

選択肢の確認

①「神の存在は理性によって完全に証明できるので、信仰は不要であるとした」
誤り。
誤答理由: 信仰を不要とする理性万能の主張はアウグスティヌスにはない。彼は神への信仰と愛を思索の中心に据えた教父である。

②「教会を通さず、ひとりひとりが聖書を読むだけで救いは完結するとして教会の権威を否定した」
誤り。
誤答理由: アウグスティヌスは恩寵が教会を通じて与えられるとして教会の権威を確立した側であり、否定したのは宗教改革期のルターらとの混同である。

③「原罪を負う人間は自由意志では善をなしえず、神の恩寵によってのみ救われるとした」
正しい。
正解。アウグスティヌスは、原罪を負う人間は自由意志では善をなしえず、救いは神の一方的な恵みである恩寵のみによるとした。

④「人間は生まれながらに善であり、教育さえ受ければ神の助けなしに完成に至るとした」
誤り。
誤答理由: 人間が生まれながら善で教育により自力で完成できるという説明は、原罪と恩寵を説くアウグスティヌスの立場と正反対である。

覚えるポイント

  • 原罪ゆえに人間は自力で善をなしえない
  • 救いは神の恩寵のみによる
  • 主著は『告白』『神の国』、最大の教父

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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