RN4-012公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(3) キリスト教とイスラーム

トマス・アクィナスの思想についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

アリストテレス哲学を取り入れて信仰と理性の調和を図り、『神学大全』でスコラ哲学を大成した

この問題のポイント

トマス・アクィナスの位置づけを問う問題。「スコラ哲学の大成者」「信仰と理性の調和」「アリストテレス」「神学大全」の対応で解ける。

解説

中世ヨーロッパでは、教会や修道院の学校(スコラ)で、キリスト教の教義を理論的に基礎づけるスコラ哲学が発達した。その大成者が13世紀のトマス・アクィナスである。
当時、イスラーム世界を経由してアリストテレスの哲学がヨーロッパに伝わり、理性的な学問と信仰の関係が大問題となっていた。トマスは主著『神学大全』で、信仰と理性、神学と哲学は矛盾せず、調和すると論じた。理性は自然の秩序を解明できるが、救いにかかわる真理は啓示によって知られ、哲学は神学に奉仕するものと位置づけられた。
またトマスは、神の永遠法に人間が理性で参与したものを自然法と呼び、法や正義の理論にも大きな影響を残した。信仰の優位を保ちながら理性の働きを積極的に位置づけた点が、理性を信仰から独立させていく近代思想への橋渡しともなった。

ひっかけポイント
聖書のみ・教会批判は宗教改革のルター、神は死んだはニーチェ。トマスは理性を排除したのではなく、信仰との調和・秩序づけを図った。

選択肢の確認

①「アリストテレス哲学を取り入れて信仰と理性の調和を図り、『神学大全』でスコラ哲学を大成した」
正しい。
正解。トマス・アクィナスはアリストテレス哲学を摂取して信仰と理性の調和を論じ、『神学大全』でスコラ哲学を大成した。

②「理性と信仰は全面的に矛盾するので、哲学の研究をいっさい禁止すべきだと主張した」
誤り。
誤答理由: トマスは理性と信仰の全面的な矛盾ではなく調和を説いた。哲学の研究を禁止するどころか、神学に奉仕するものとして位置づけた。

③「教会の権威を否定して聖書のみを信仰のよりどころとし、宗教改革を開始した」
誤り。
誤答理由: 聖書のみをよりどころとして教会の権威を批判し宗教改革を始めたのは16世紀のルターであり、13世紀のスコラ哲学者トマスではない。

④「神は死んだと宣言し、キリスト教道徳を奴隷道徳として批判した」
誤り。
誤答理由: 神は死んだという宣言と奴隷道徳批判は19世紀のニーチェの思想であり、キリスト教神学を体系化したトマスとは正反対の立場である。

覚えるポイント

  • トマス・アクィナスはスコラ哲学の大成者
  • 『神学大全』で信仰と理性の調和を論証
  • アリストテレス哲学の摂取と自然法思想

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。
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