RN4-051|公共・倫理 対策問題
墨子の思想についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
自他を区別しない無差別の愛である兼愛を説き、侵略戦争を否定する非攻を唱えた
この問題のポイント
墨子の兼愛・非攻を問う問題。儒家の仁(親疎の別のある愛)への批判として兼愛が説かれた、という対抗関係がカギ。
解説
墨子は戦国時代に儒家と並ぶ勢力を誇った墨家の祖である。
その中心思想が兼愛である。墨子は、天下の争乱の原因を、人々が自分と身内だけを愛する別愛に求めた。儒家の仁は孝悌を出発点とする以上、親疎の区別を含む別愛にとどまる。これに対し墨子は、自他や親疎を区別せず、すべての人を等しく愛する兼愛を説き、互いに利益をもたらしあう交利がそこから生まれるとした。
また兼愛の立場から、最大の不義である侵略戦争を否定した(非攻)。墨家は単なる理想論にとどまらず、優れた防御技術を持つ集団として、攻められた小国の防御戦争に自ら参加した。
このほか、儒家の重んじる厚葬や礼楽を無用の浪費として退け、節用(倹約)を説いた点でも、儒家と鋭く対立した。
ひっかけポイント
親疎の別のある愛は儒家の仁で、兼愛はまさにその批判。非攻は無抵抗主義ではなく、防御戦争は認めた点も細かく問われる。
選択肢の確認
①「無為自然に従い、いっさいの社会的活動から身を引くことを勧めた」
❌ 誤り。
誤答理由: 無為自然と社会からの隠退は道家の傾向であり、防御戦争にまで参加して非攻を実践した墨家の活動的な姿勢とは異なる。
②「自他を区別しない無差別の愛である兼愛を説き、侵略戦争を否定する非攻を唱えた」
✅ 正しい。
正解。墨子は自他や親疎を区別しない無差別の愛である兼愛を説き、最大の不義として侵略戦争を否定する非攻を唱えた。
③「家族への愛を出発点として、親疎の区別のある愛を説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 家族への愛を出発点とする親疎の別のある愛は儒家の仁であり、墨子はこれを別愛として批判し兼愛を説いた。
④「戦争は国を富ませる有益な手段であるとして、積極的な侵略を勧めた」
❌ 誤り。
誤答理由: 墨子は侵略戦争を最大の不義として否定した。戦争を有益とする説明は非攻の正反対である。
覚えるポイント
- 兼愛=無差別の愛(儒家の別愛を批判)
- 非攻=侵略戦争の否定(防御は肯定)
- 交利・節用も墨家のキーワード
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。