RN4-050|公共・倫理 対策問題
荘子の理想とした境地・人間像についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
心斎坐忘によって自我や分別を忘れ、天地自然と一体となって遊ぶ逍遥遊の境地に生きる真人を理想とした
この問題のポイント
荘子の理想像(真人)とそこへ至る修養(心斎坐忘)、その境地(逍遥遊)という3つの用語の結びつきを問う問題。
解説
荘子の理想とする人間は真人(至人)と呼ばれる。
真人へ至る修養が心斎坐忘である。心斎とは心を虚しくして澄みきらせること、坐忘とは坐したまま、自分の身体も心の分別もすべて忘れ去ることをいう。是非や利害の分別、自我への執着を洗い落とすことで、人は道と一体になる。
こうして到達される境地が逍遥遊である。何ものにも束縛されず、天地自然とひとつになって、悠々と遊ぶように生きる絶対自由の境地である。大空を九万里の高みへ飛ぶ大鵬の寓話は、世俗の尺度を超えたこの自由を象徴している。
荘子の思想は、世俗の価値をめぐる競争に疲れた人々の心を解放するものとして、後世の中国の芸術や、禅の思想にも深い影響を与えた。
ひっかけポイント
君子と礼は儒家、能吏と法は法家、苦行はジャイナ教などの理想像。真人・心斎坐忘・逍遥遊という荘子固有の用語セットで判別する。
選択肢の確認
①「法を厳格に運用して富国強兵を実現する能吏を理想とした」
❌ 誤り。
誤答理由: 法の運用による富国強兵は法家の理想とする官僚像であり、世俗の価値を超える荘子の理想とは正反対である。
②「断食と苦行によって身体を痛めつける修行者を理想とした」
❌ 誤り。
誤答理由: 断食や苦行で身体を痛めつける修行者はジャイナ教などの理想であり、荘子の説く自然との一体の境地とは異なる。
③「心斎坐忘によって自我や分別を忘れ、天地自然と一体となって遊ぶ逍遥遊の境地に生きる真人を理想とした」
✅ 正しい。
正解。荘子は、心斎坐忘によって分別と自我を忘れ、天地自然と一体となって遊ぶ逍遥遊の境地に生きる真人を理想とした。
④「礼を厳格に実践して社会秩序の回復に努める君子を理想とした」
❌ 誤り。
誤答理由: 礼の実践による秩序回復に努める君子は儒家の理想像であり、分別を忘れて自然と一体になる荘子の真人とは対照的である。
覚えるポイント
- 理想の人間像は真人(至人)
- 心斎坐忘=分別と自我を忘れ道と一体化する修養
- 逍遥遊=何ものにも縛られない絶対自由の境地
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。