RN4-049|公共・倫理 対策問題
荘子の万物斉同の思想についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
是非・善悪・美醜などの区別は人間のつくった相対的なものにすぎず、道の立場から見れば万物は等しいとした
この問題のポイント
万物斉同=あらゆる区別の相対性の自覚、という荘子の中心思想を問う問題。胡蝶の夢の寓話との結びつきもカギ。
解説
荘子は、老子と並ぶ道家の代表的思想家である(あわせて老荘思想と呼ぶ)。
その中心思想が万物斉同である。人間は、是と非、善と悪、美と醜、大と小といった区別を立てて争うが、こうした区別は人間が自分の立場から設けた相対的なものにすぎない。あるものにとっての美は、別のものにとっては醜である。道の立場から見れば、万物はいずれも等しく、区別を立てる根拠はない。
荘子はこれを胡蝶の夢の寓話で語った。夢の中で蝶になって楽しく舞っていた荘子は、目覚めて考える。自分が蝶になった夢を見ていたのか、それとも蝶が自分になった夢を見ているのか、と。自他や夢と現実の区別さえ、絶対のものではないのである。
区別への執着を捨て、天地自然と一体になって遊ぶ境地が、荘子の理想であった。
ひっかけポイント
万物斉同は序列や絶対的区別の主張と正反対。区別の相対性を説く思想である。胡蝶の夢=荘子という対応も頻出。
選択肢の確認
①「善と悪は絶対的に区別され、いかなる立場から見ても変わらないとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 善悪の絶対的区別の主張は、区別の相対性を説く万物斉同の否定である。あるものの善は別のものにとって悪でありうる。
②「すべての区別のうち、貴賤の身分の区別だけは絶対に正しいとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 貴賤の身分の区別だけを絶対とする考え方も、いっさいの区別を相対とみる万物斉同とは相いれない。
③「是非・善悪・美醜などの区別は人間のつくった相対的なものにすぎず、道の立場から見れば万物は等しいとした」
✅ 正しい。
正解。荘子の万物斉同は、是非・善悪・美醜などの区別は人間の立てた相対的なものにすぎず、道の立場から見れば万物は等しいとする思想である。
④「万物には厳格な上下の序列があり、人間はその頂点に立つとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 万物の厳格な序列や人間の優位という考え方は、あらゆる区別を相対化する万物斉同と正反対である。
覚えるポイント
- 万物斉同=是非善悪などの区別は相対的
- 道の立場から見れば万物は等しい
- 胡蝶の夢の寓話が象徴
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。