RN9-008|公共・倫理 対策問題
次の資料は、ある思想家の言葉である。「最上の善は水のようなものである。水は万物に恵みを与えながら、他と争わず、誰もが嫌う低い所に身を置く。それゆえ道に近い(要旨)」。この主張をした思想家として最も適切なのは誰か。
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正解: 3
正解
老子
この問題のポイント
「上善は水のごとし」という有名な言葉から、無為自然・柔弱謙下を説いた老子を特定できるかが問われる。
解説
資料は老子の「上善は水のごとし」の要旨である。老子は、儒家の説く仁や礼を人為的な作為として退け、万物を生み出す根源である道(タオ)に従って、あるがままに生きる無為自然を説いた。
水は万物に恵みを与えながら争わず、低い所に身を置く。このように柔らかく、へりくだったあり方(柔弱謙下)こそ、道にかなった理想の生き方だとされる。
理想社会としては、小さな共同体で素朴に自足して暮らす小国寡民を挙げた。
同じ道家の荘子は、人間の作る区別や対立を超えてすべてを等しいとみる万物斉同を説き、天地自然と一体となって自由に生きる逍遥遊の境地と、その体現者である真人を理想とした。老子と荘子の思想は合わせて老荘思想と呼ばれる。
ひっかけポイント
同じ道家の荘子との混同が定番。水のたとえと柔弱謙下は老子、万物斉同と逍遥遊は荘子と対応づけて区別する。
選択肢の確認
①「孟子」
❌ 誤り。
誤答理由: 孟子は性善説と王道政治を説いた儒家であり、道家の無為自然の思想である資料の主張者ではない。
②「荘子」
❌ 誤り。
誤答理由: 荘子は同じ道家だが、万物斉同や逍遥遊を説いた人物であり、水のたとえによる柔弱謙下は老子の言葉として知られる。
③「老子」
✅ 正しい。
正解。上善は水のごとしは老子の言葉であり、万物に恵みを与えながら争わず低きに身を置く水のあり方に、道に従う無為自然・柔弱謙下の理想を見ている。
④「孔子」
❌ 誤り。
誤答理由: 孔子は仁と礼による人倫の道を説いた儒家の祖であり、人為を退けて水のような生き方を理想とする資料の思想とは対立する。
覚えるポイント
- 老子は道に従う無為自然・柔弱謙下を説いた
- 上善は水のごとしは老子の言葉
- 荘子は万物斉同・逍遥遊で区別する
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。