KO2-A10|公共・政治経済 対策問題
ミルの功利主義の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
ミルは快楽に質的な違いを認め、感覚的な快楽よりも精神的な快楽を重んじる質的功利主義を唱えた
この問題のポイント
ベンサムとミルの功利主義の違いを問う問題。「量のベンサム・質のミル」という対比と、「満足した豚」の言葉の帰属がわかれば解ける。
解説
19世紀イギリスのミルは、ベンサムの功利主義を受け継ぎながら、重要な修正を加えた。
ベンサムはすべての快楽を量として計算できるとしたが、ミルは快楽には質の違いがあると主張した。食欲などの感覚的快楽よりも、教養・友情・良心といった精神的快楽の方が質的に高い。両方を知る人は必ず高い方を選ぶ、というのがその根拠である。
この立場を象徴するのが「満足した豚であるよりも、不満足な人間である方がよい。満足した愚か者であるよりも、不満足なソクラテスである方がよい」という言葉である(『功利主義』)。
ミルはまた、道徳の理想をイエスの黄金律(人にしてもらいたいことを人にせよ)に見いだし、他者の幸福を願う利他心を重んじた。さらに『自由論』では、他者に危害を加えない限り個人の自由は制限されないという他者危害原理を説き、多数者の専制を警戒した。
量的功利主義(ベンサム)から質的功利主義(ミル)へ、という発展の流れで覚えるとよい。
ひっかけポイント
快楽計算はベンサム、「満足した豚」の言葉はミル。人物の入れ替えが最頻出である。ミルは功利主義を否定したのではなく、修正・発展させた点にも注意。
選択肢の確認
①「ミルは、幸福と道徳は無関係であるとして功利主義そのものを否定した」
❌ 誤り。
誤答理由: ミルは功利主義を否定したのではなく、質の観点を導入して修正・発展させた。『功利主義』はその主著である。
②「ミルは快楽に質的な違いを認め、感覚的な快楽よりも精神的な快楽を重んじる質的功利主義を唱えた」
✅ 正しい。
正解。ミルは快楽に質的な差を認め、感覚的快楽より精神的快楽を重んじる質的功利主義を唱えて、ベンサムの理論を修正した。
③「ミルは、すべての快楽は量として計算できるとする快楽計算を最初に提唱した」
❌ 誤り。
誤答理由: 快楽計算を提唱したのはベンサムである。ミルはむしろ快楽が量に還元できないことを主張した。
④「『満足した豚であるよりも、不満足な人間である方がよい』という言葉は、ベンサムのものである」
❌ 誤り。
誤答理由: 「満足した豚であるより不満足な人間である方がよい」はミル自身の言葉であり、ベンサムのものではない。
覚えるポイント
- ベンサム=量的功利主義、ミル=質的功利主義
- 「満足した豚より不満足な人間」はミルの言葉
- ミルは『自由論』で他者危害原理も提唱
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。