KO2-A09公共・政治経済 対策問題

公共A 公共の扉(2) 人間としての在り方生き方

カントの倫理思想の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

カントは、人格を単に手段としてのみ扱わず、常に同時に目的として扱うべきだと説き、行為の結果よりも動機を重視した

この問題のポイント

カントの義務論を問う問題。「動機主義」「定言命法」「人格の尊重」「自律としての自由」という4つのキーワードの正確な理解で解ける。

解説

ドイツの哲学者カントは、行為の善さは結果ではなく動機にあると考えた。無条件に善いといえるのは、義務を義務として果たそうとする善意志だけである。同じ親切でも、評判目当てなら道徳的価値はなく、義務に基づくときにのみ価値がある。結果(快楽)で善悪を測る功利主義と対照的な義務論の立場である。
道徳の命令は、「もし〜を望むなら〜せよ」という条件付きの仮言命法ではなく、「〜せよ」と無条件に命じる定言命法でなければならない。その根本方式が「あなたの意志の格率が、常に同時に普遍的立法の原理として妥当するように行為せよ」である。
さらにカントは、理性をもつ人間を人格と呼び、「自分の人格の中にも他人の人格の中にもある人間性を、単に手段としてのみ扱わず、常に同時に目的として扱え」と説いた。人格が互いを目的として尊重し合う理想の共同体が目的の国である。
そして、欲望に流されず、自分の理性が立てた道徳法則に自分で従うこと(自律)こそ真の自由であるとした。

ひっかけポイント
快楽の量で判定するのはベンサム。定言命法(無条件)と仮言命法(条件付き)の定義の入れ替え、自由=欲求のままという自律の誤解が定番のひっかけである。

選択肢の確認

①「カントは、欲求のおもむくままに生きることこそ真の自由であり、自律であるとした」
誤り。
誤答理由: カントのいう自律は、自らの理性が立てた道徳法則に自発的に従うことであり、欲求のままに生きることはむしろ他律である。

②「カントは、人格を単に手段としてのみ扱わず、常に同時に目的として扱うべきだと説き、行為の結果よりも動機を重視した」
正しい。
正解。カントは人格を単に手段としてのみ扱わず常に同時に目的として扱えと説き、行為の価値を結果ではなく義務に基づく動機に求めた。

③「カントは、行為の結果として生じる快楽の量によって善悪を判定すべきだとした」
誤り。
誤答理由: 快楽の量による善悪の判定はベンサムの功利主義であり、動機を重視するカントの義務論とは対立する立場である。

④「定言命法とは、『もし〜を望むなら〜せよ』という条件付きの命令のことである」
誤り。
誤答理由: 条件付きの命令は仮言命法である。定言命法は条件を付けずに無条件に命じる道徳の命令形式を指す。

覚えるポイント

  • カント=動機主義・義務論、善意志のみが無条件に善
  • 定言命法は無条件の命令、人格は目的として扱う
  • 自律(道徳法則への自発的服従)こそ自由

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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