KO-A2-01|公共・政治経済 対策問題
ソクラテスの思想の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
自分が善や正義について知らないことを自覚する無知の知を出発点に、問答を通じて相手とともに真理を探究した
この問題のポイント
ソクラテスの思想の核心を問う問題。「無知の知」と「問答法」という2つのキーワードを、プラトンやタレスら他の思想家と区別できるかが鍵。
解説
古代ギリシアのアテネで活動したソクラテスは、「ソクラテスにまさる知者はいない」という神託の意味を確かめるため、知者と評される人々と対話を重ねた。その結果、知者と評判の人々は善や正義など大切なことを知らないのに知っていると思い込んでいるのに対し、自分は知らないことを自覚している分だけまさっている、と気づいた。これが無知の知である。
ソクラテスは、相手に問いを重ねて無知を自覚させ、真理の探究へ導く問答法(産婆術)を実践した。また、大切なのは「ただ生きることではなく、善く生きること」だと説き、魂(プシュケー)をできるだけ善いものにする魂への配慮を訴えた。
彼は国家の神々を信じず青年を惑わせたとして告発され、脱獄の勧めを断って毒杯を仰いだ。その生き方自体が「善く生きる」ことの実践だった。
ひっかけポイント
『国家』とイデア論は弟子のプラトン、万物の根源=水はタレス、快楽計算はベンサム。ソクラテス自身は著作を残していない点も覚えておきたい。
選択肢の確認
①「自分が善や正義について知らないことを自覚する無知の知を出発点に、問答を通じて相手とともに真理を探究した」
✅ 正しい。
正解。ソクラテスは無知の知を出発点に、問答法(産婆術)によって相手とともに真理を探究し、魂への配慮と「善く生きること」を説いた。
②「万物の根源は水であると考え、自然の成り立ちを探究した」
❌ 誤り。
誤答理由: 万物の根源を水と考えたのは自然哲学者タレスである。ソクラテスの関心は自然ではなく、善く生きることにあった。
③「著書『国家』でイデア論を展開し、哲学者が統治する理想国家を構想した」
❌ 誤り。
誤答理由: 『国家』を著しイデア論を展開したのは弟子のプラトンである。ソクラテス自身は著作を残していない。
④「快楽と苦痛を計算して行為の善悪を判定する快楽計算を提唱した」
❌ 誤り。
誤答理由: 快楽計算を提唱したのは近代イギリスの功利主義者ベンサムであり、古代ギリシアのソクラテスとは時代も立場も異なる。
覚えるポイント
- 無知の知=知らないことの自覚が知の出発点
- 問答法(産婆術)で相手とともに真理を探究
- 「善く生きること」と魂への配慮を重視
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。