KO8-002|公共・政治経済 対策問題
カントの義務論の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
行為の正しさは結果ではなく、道徳法則に従おうとする動機によって決まる
この問題のポイント
カントの義務論の核心を問う。結果ではなく動機(善意志)を重視する立場であることが判断の軸になる。
解説
カントは18世紀ドイツの哲学者で、道徳の基準を行為の結果ではなく動機に置いた。無条件に善いといえるのは、義務を義務として果たそうとする善意志だけだと考えたのである。
カントによれば、道徳法則は「もし〜したいなら〜せよ」という条件付きの命令(仮言命法)ではなく、「〜せよ」と無条件に命じる定言命法の形をとる。その代表が「あなたの人格や他者の人格のうちにある人間性を、単に手段としてのみ扱わず、常に同時に目的として扱え」という命令である。
また、自分で立てた道徳法則に自分で従うことを意志の自律と呼び、ここに人間の尊厳を見いだした。結果がどれほど良くても、うそや人格の道具化は許されないとする点で、結果を重視する功利主義と対立する。
ひっかけポイント
「社会全体の幸福で判断」は功利主義の立場で、カントとは正反対。カントは結果ではなく動機、条件付きではなく定言命法、と押さえる。
選択肢の確認
①「行為の正しさは、社会全体の幸福の総量が増えるかどうかで決まる」
❌ 誤り。
社会全体の幸福の総量で判断するのはベンサムらの功利主義であり、カントが批判した結果重視の立場である。
②「道徳は時代や社会によって変わるため、普遍的な法則は存在しない」
❌ 誤り。
カントは道徳法則を時代や社会を超えた普遍的なもの(定言命法)と考えており、相対主義の立場ではない。
③「人間は他人からの評価を得るために道徳的に行為すべきである」
❌ 誤り。
他人の評価を目的とする行為は「もし評価されたいなら」という条件付きの仮言命法に従う行為であり、カントのいう道徳的行為ではない。
④「行為の正しさは結果ではなく、道徳法則に従おうとする動機によって決まる」
✅ 正しい。
正解。カントは行為の結果ではなく、義務を義務として果たそうとする動機(善意志)にのみ無条件の善を認め、道徳法則への自発的服従を説いた。
覚えるポイント
- カントの義務論は動機(善意志)を重視
- 定言命法=無条件の命令、人格を目的として扱え
- 意志の自律に人間の尊厳を見いだした
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。