KO8-003|公共・政治経済 対策問題
暴走するトロッコの進路を切り替えれば5人は助かるが別の1人が犠牲になる、という思考実験で、進路を切り替えるべきだと判断する立場の根拠として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
犠牲者の数を1人に減らす方が、全体としての幸福の損失が小さいから
この問題のポイント
トロッコ問題で「切り替えるべきだ」と判断する根拠を問う。結果として失われる幸福を最小化する功利主義の発想が答えになる。
解説
トロッコ問題は、5人を救うために1人を犠牲にすることが許されるかを問う思考実験で、倫理の二大立場を対比させる教材として使われる。
進路を切り替えるべきだとする判断は、功利主義の考え方に基づく。行為の善悪をその結果で評価し、5人の死よりも1人の死の方が社会全体の幸福の損失が小さい、つまり「最大多数の最大幸福」に近づくと考えるのである。
これに対し、切り替えに反対する立場は義務論に基づくことが多い。1人をほかの5人を救うための手段として扱うことになり、たとえ結果が良くても人格の道具化は許されない、と考えるからである。
共通テストでは、具体的な判断がどちらの立場に対応するかを読み取らせる形式で出題される。「結果・人数の比較=功利主義」「動機・手段化の禁止=義務論」という対応を軸に整理しておこう。
ひっかけポイント
「人格を手段として扱うな」は切り替えに反対する義務論側の根拠。設問がどちらの立場の理由を聞いているかを丁寧に確認すること。
選択肢の確認
①「いかなる場合でも人の生死に関わる選択をしてはならないから」
❌ 誤り。
生死に関わる選択を一切禁じる立場からは切り替えを支持できず、切り替えるべきだという判断の根拠にならない。
②「法律で進路の切り替えが義務づけられているから」
❌ 誤り。
トロッコ問題は法的義務を離れて道徳的判断を問う思考実験であり、法律の義務は根拠にならない。
③「犠牲者の数を1人に減らす方が、全体としての幸福の損失が小さいから」
✅ 正しい。
正解。犠牲者の数を比較して幸福の損失が小さい方を選ぶのは、結果で善悪を判断する功利主義の考え方である。
④「人格を手段としてのみ扱ってはならないから」
❌ 誤り。
人格を手段としてのみ扱うなという原則は、切り替えに反対する義務論(カント)側の根拠であり、切り替えを支持する理由にはならない。
覚えるポイント
- 犠牲の数を比べて判断するのは功利主義(結果重視)
- 手段化の禁止を理由に反対するのは義務論
- 思考実験は立場の対比を学ぶための教材
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。