PE4-023|公共・政治経済 対策問題
最高裁判所が法律の規定を違憲と判断した判例として正しいものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
尊属殺人を通常の殺人より著しく重く罰する刑法の規定を、法の下の平等に反すると判断した
この問題のポイント
最高裁による法令違憲判決の第1号を問う問題。違憲とされた判例と合憲・判断回避の判例を仕分けできるかがカギ。
解説
1973年の尊属殺重罰規定違憲判決は、最高裁による初の法令違憲判決である。
刑法200条は、自己または配偶者の父母・祖父母など(尊属)を殺した場合の刑を死刑または無期懲役のみと定めていた。最高裁は、尊属尊重という立法目的は不合理でないとしつつ、刑罰が普通殺人に比べて著しく不合理に重いとして、憲法14条(法の下の平等)違反と判断した。この規定は1995年の刑法改正でようやく削除された。
初期の法令違憲判決としてはほかに、薬事法距離制限違憲判決(1975年、職業選択の自由)、衆議院議員定数配分違憲判決(1976年・1985年)、森林法共有林分割制限違憲判決(1987年、財産権)がある。
一方、自衛隊や日米安保条約について最高裁は明確な違憲判断を避けており、夫婦同姓規定は2015年・2021年に合憲とされた。
ひっかけポイント
自衛隊・安保条約は違憲と判断されたことがなく、夫婦同姓は合憲判断。違憲判例のリストに紛れ込ませるのが定番の作りである。
選択肢の確認
①「夫婦同姓を定める民法の規定を違憲と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 夫婦同姓を定める民法の規定について、最高裁は2015年と2021年にいずれも合憲と判断している。
②「尊属殺人を通常の殺人より著しく重く罰する刑法の規定を、法の下の平等に反すると判断した」
✅ 正しい。
正解。1973年の尊属殺重罰規定違憲判決は最高裁初の法令違憲判決で、死刑・無期のみという刑罰の著しい不均衡を14条違反とした。
③「自衛隊の存在そのものを憲法9条違反と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 最高裁が自衛隊の存在を違憲と判断したことはない。憲法判断を回避する姿勢が続いている。
④「日米安全保障条約を明確に違憲と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 砂川事件で最高裁は、安保条約は一見極めて明白に違憲無効でない限り審査になじまないとし、明確な違憲判断をしていない。
覚えるポイント
- 法令違憲第1号は尊属殺重罰規定(1973年・14条違反)
- 薬事法1975年・定数配分1976年・森林法1987年と続く
- 自衛隊・安保は判断回避、夫婦同姓は合憲
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。