PE9-058公共・政治経済 対策問題

政治・経済A 現代日本の政治(3) 国会・内閣・裁判所

高度に政治性のある国家行為については裁判所の違憲審査になじまないとして憲法判断を回避する考え方を何と呼ぶか。

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正解: 1

正解

統治行為論

この問題のポイント

司法権の限界に関わる統治行為論の理解を問う。砂川事件・苫米地事件という適用例とセットで押さえているかが核心。

解説

統治行為論とは、国の存立に関わる高度に政治性のある国家行為については、法的判断が可能であっても司法審査の対象外とし、判断を国会・内閣や国民の政治的評価に委ねるべきだとする考え方である。
適用が問題となった代表例は次の2つである。

  • 砂川事件(最高裁1959年)日米安全保障条約の合憲性について、「一見極めて明白に違憲無効」でない限り司法審査になじまないと判示
  • 苫米地事件(最高裁1960年)衆議院の解散の効力について、統治行為として司法審査の対象外とした
    この理論には、違憲審査制を骨抜きにし「憲法の番人」の役割を放棄するものだという批判と、民主的基盤を持たない裁判所は政治部門の判断を尊重すべきだという擁護の両論がある。司法消極主義の代表的な現れとして、違憲審査制の型とセットで問われる。

ひっかけポイント
砂川事件=日米安保条約、苫米地事件=衆議院の解散、という対象の対応関係の入れ替えが定番の引っかけ。

選択肢の確認

①「統治行為論」
正しい。
正解。統治行為論は、高度に政治性のある国家行為を司法審査の対象外とする考え方で、砂川事件(日米安保)や苫米地事件(衆議院の解散)で用いられた。

②「抽象的違憲審査制」
誤り。
誤答理由: 抽象的違憲審査制は憲法裁判所が具体的事件と無関係に法令を審査する制度の名称であり、憲法判断の回避の理論ではない。

③「罪刑法定主義」
誤り。
誤答理由: 罪刑法定主義は犯罪と刑罰があらかじめ法律で定められていなければならないという刑事法の原則であり、司法審査の限界とは別の概念である。

④「議院内閣制」
誤り。
誤答理由: 議院内閣制は内閣が議会の信任に基づく政治制度の類型であり、裁判所の憲法判断回避の理論ではない。

覚えるポイント

  • 統治行為論は高度に政治性のある行為の司法審査回避
  • 砂川事件(1959年・日米安保)、苫米地事件(1960年・解散)
  • 司法消極主義の代表例で賛否両論がある

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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