PE2-B09|公共・政治経済 対策問題
違憲審査における二重の基準の考え方の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
精神の自由を規制する立法は、経済の自由を規制する立法よりも厳格な基準で審査すべきだとする考え方である
この問題のポイント
二重の基準論を問う問題。「精神の自由=厳格審査」「経済の自由=緩やかな審査」という非対称の理由(民主政治の基盤かどうか)がわかれば解ける。
解説
二重の基準とは、違憲審査にあたって、精神の自由の規制と経済の自由の規制とで審査の厳しさを変えるべきだ、とする考え方である。
精神の自由、とくに表現の自由は、国民の自由な議論を通じて民主政治を成り立たせる自己統治の基盤である。これがいったん侵害されると、民主的な政治過程そのものがゆがみ、選挙や言論によって誤りを正すことができなくなる。だからその規制は厳格な基準で審査しなければならない。
これに対し経済の自由の規制は、社会経済政策の当否の問題であることが多く、政策判断は第一次的には国会に委ねられる。仮に不当な規制でも、民主的な政治過程が機能していれば選挙を通じて是正できる。そこで審査は比較的緩やかでよいとされる。
日本の最高裁も、薬事法距離制限違憲判決(1975年)などで、職業の自由の規制を目的に応じて審査する枠組みを示しており、二重の基準の考え方は判例・学説に広く影響を与えている。
ひっかけポイント
厳格に審査するのは「精神の自由」の側であり、逆転させる選択肢が最頻出。経済の自由も審査対象にはなる(現に違憲判決がある)点も誤答の型である。
選択肢の確認
①「経済の自由に対する規制立法は、違憲審査の対象にならないとする考え方である」
❌ 誤り。
誤答理由: 経済の自由の規制立法も違憲審査の対象であり、実際に薬事法や森林法の規定が違憲とされている。審査の厳格さが緩やかになるにすぎない。
②「精神の自由を規制する立法は、経済の自由を規制する立法よりも厳格な基準で審査すべきだとする考え方である」
✅ 正しい。
正解。精神の自由は民主政治の基礎であり、いったん侵害されると民主的過程での回復が困難なため、経済の自由より厳格な基準で審査すべきとするのが二重の基準論である。
③「経済の自由の規制を、精神の自由の規制よりも厳しく審査すべきだとする考え方である」
❌ 誤り。
誤答理由: 厳格に審査すべきなのは精神の自由の規制の側であり、関係が逆である。経済の自由には立法府の広い裁量が認められる。
④「二重の基準の考え方は、日本の裁判所の判決に影響を与えたことはない」
❌ 誤り。
誤答理由: 薬事法距離制限違憲判決(1975年)などに二重の基準の考え方の影響がみられ、影響を与えたことがないとはいえない。
覚えるポイント
- 精神の自由の規制=厳格な基準で審査
- 経済の自由の規制=政策判断を尊重し緩やかに審査
- 理由は民主政治の基盤(自己統治)の保護
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。