PE9-056|公共・政治経済 対策問題
日本の違憲審査制についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
具体的な訴訟事件を裁判する際に、その事件に適用される法令の合憲性を審査する付随的違憲審査制をとる
この問題のポイント
日本の違憲審査制の型(付随的審査制)を問う。抽象的審査制(憲法裁判所型)との対比と、審査権が全ての裁判所にあることが核心。
解説
違憲審査制には大きく2つの型がある。
- 付随的違憲審査制(アメリカ型):通常の裁判所が、具体的な事件の裁判に必要な限りで法令の合憲性を審査する。日本はこの型である
- 抽象的違憲審査制(ドイツ型):憲法裁判所という特別の裁判所が、具体的事件と無関係に法令そのものの合憲性を審査する
日本国憲法第81条は最高裁判所を「一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所」と定める。終審というからには、下級裁判所を含む全ての裁判所が違憲審査権を持ち、最高裁は最終判断を下す憲法の番人と呼ばれる。
警察予備隊違憲訴訟(1952年)で最高裁は、具体的事件を離れた抽象的審査はできないと判示し、付随的審査制であることを明確にした。
ひっかけポイント
日本に憲法裁判所は存在しない。また違憲審査権は最高裁だけでなく下級裁判所も持つ。この2点の引っかけが最頻出。
選択肢の確認
①「違憲審査権を行使できるのは最高裁判所だけである」
❌ 誤り。
誤答理由: 違憲審査権は下級裁判所を含む全ての裁判所が持つ。最高裁は最終判断を下す終審裁判所という位置付けである。
②「国会が制定した法律は違憲審査の対象にならない」
❌ 誤り。
誤答理由: 憲法81条は一切の法律・命令・規則・処分を審査対象と定めており、国会の法律も当然に対象となる。
③「具体的な訴訟事件を裁判する際に、その事件に適用される法令の合憲性を審査する付随的違憲審査制をとる」
✅ 正しい。
正解。日本はアメリカ型の付随的違憲審査制をとり、裁判所は具体的な訴訟事件の解決に必要な範囲で、適用される法令の合憲性を審査する。
④「具体的な事件と関係なく、法令そのものの合憲性を抽象的に審査する憲法裁判所を設けている」
❌ 誤り。
誤答理由: 憲法裁判所による抽象的審査はドイツなどの制度であり、日本には憲法裁判所は存在しない。警察予備隊訴訟でも抽象的審査は否定された。
覚えるポイント
- 日本はアメリカ型の付随的違憲審査制
- 違憲審査権は全ての裁判所、最高裁は終審(憲法の番人)
- ドイツなどは憲法裁判所による抽象的審査制
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。