PE9-057|公共・政治経済 対策問題
日本の最高裁判所による法令違憲判決の例として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
尊属殺人の刑罰を通常の殺人より著しく重くした刑法の規定を、法の下の平等に反すると判断した
この問題のポイント
最高裁の法令違憲判決の実例を知っているかを問う。1973年の尊属殺重罰規定違憲判決が最初の法令違憲判決である点が核心。
解説
日本の最高裁は違憲判断に慎重(司法消極主義)とされるが、法令の規定そのものを違憲とした判決がいくつかある。
- 尊属殺重罰規定違憲判決(1973年):親などの尊属を殺した場合の刑を死刑・無期に限った刑法の規定を、**法の下の平等(第14条)**に反すると判断。最初の法令違憲判決であり、規定は1995年に削除された
- 薬事法距離制限違憲判決(1975年):薬局の開設距離制限を職業選択の自由に反すると判断
- 衆議院議員定数配分規定違憲判決(1976年・85年):一票の格差を違憲としつつ選挙自体は有効とした(事情判決の法理)
- 在外国民選挙権制限違憲判決(2005年)、国籍法違憲判決(2008年)、非嫡出子相続分差別違憲決定(2013年)、再婚禁止期間一部違憲判決(2015年)など
一方、自衛隊や首相の靖国参拝について、最高裁が正面から違憲と判断したことはない。
ひっかけポイント
統治に関わる問題(自衛隊・日米安保)は統治行為論などで憲法判断が回避されてきた。法令違憲の実例と混同させる出題が定番。
選択肢の確認
①「内閣総理大臣の靖国神社参拝を明確に違憲と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 首相の靖国参拝について最高裁が明確に違憲と判断した判決はない。愛媛玉串料訴訟(1997年)で違憲とされたのは公費支出であり、混同しやすい。
②「尊属殺人の刑罰を通常の殺人より著しく重くした刑法の規定を、法の下の平等に反すると判断した」
✅ 正しい。
正解。1973年の尊属殺重罰規定違憲判決は、尊属殺の法定刑を死刑・無期に限った刑法の規定を法の下の平等に反すると判断した、最初の法令違憲判決である。
③「自衛隊の存在そのものを違憲と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 最高裁が自衛隊の存在そのものを違憲と判断したことはなく、下級審の判断はあっても最高裁は憲法判断を回避してきた。
④「消費税の導入を違憲と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 消費税を違憲とした最高裁判決は存在しない。租税政策は立法裁量が広く認められる分野である。
覚えるポイント
- 最初の法令違憲判決は尊属殺重罰規定(1973年)
- 薬事法(1975年)・定数不均衡(1976年・85年)なども違憲
- 自衛隊を最高裁が違憲と判断した例はない
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。