KO8-005公共・政治経済 対策問題

公共A 公共の扉(2) 人間としての在り方生き方

ミルの功利主義がベンサムと異なる点として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

快楽には質の違いがあり、精神的な快楽を高く評価した

この問題のポイント

ミルとベンサムの違いを問う。量的功利主義に対する質的功利主義、という対比が判断の軸。

解説

ミルは19世紀イギリスの思想家で、ベンサムの功利主義を受け継ぎながら修正した。
ベンサムが快楽を強さ・持続性などの基準で数量的に計算できるとした(量的功利主義)のに対し、ミルは快楽には質の違いがあり、感覚的な快楽よりも知性や品位に関わる精神的快楽の方が高級だと主張した(質的功利主義)。「満足した豚であるよりは不満足な人間である方がよく、満足した愚か者であるよりは不満足なソクラテスである方がよい」という言葉がその立場を象徴する。
またミルは著書「自由論」で、個人の自由は他者に危害を加えない限り制限されるべきではないという他者危害原理を唱えた。功利主義の内部での「量か質か」という対比と、自由論の原理の両方が出題される。

ひっかけポイント
「快楽を数量的に計算」はベンサムの立場。ミル=質、ベンサム=量、という一字の違いを入れ替える選択肢が定番。

選択肢の確認

①「快楽には質の違いがあり、精神的な快楽を高く評価した」
正しい。
正解。ミルは快楽に質の違いを認め、感覚的快楽より知性や品位に関わる精神的快楽を高く評価する質的功利主義を唱えた。

②「快楽はすべて数量的に計算できると考えた」
誤り。
快楽をすべて数量的に計算できるとしたのはベンサムの量的功利主義であり、ミルはこれを修正した。

③「行為の善悪は動機のみで判断すべきだと考えた」
誤り。
動機のみで判断するのはカントの義務論であり、ミルは功利主義の枠内で結果としての幸福を重視した。

④「幸福の追求そのものを否定した」
誤り。
ミルは幸福の追求を否定しておらず、より質の高い幸福の実現を説いたのであって、功利主義そのものを放棄したわけではない。

覚えるポイント

  • ミルは質的功利主義、精神的快楽を重視
  • 「満足した豚より不満足な人間」が象徴的な言葉
  • 他者危害原理(自由の制限は他者への危害防止のみ)も頻出

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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