PE9-078|公共・政治経済 対策問題
異なる年代の金額データを比較する際の注意点として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
物価水準が異なるため、名目値のままでは比較できず、物価変動を調整した実質値で比較する必要がある
この問題のポイント
時系列の金額データを読む際の名目と実質の区別を問う。物価調整という統計処理の意味を理解しているかが核心。
解説
貨幣の購買力は物価水準によって変わる。同じ1万円でも、物価が2倍になれば買える量は半分になる。
したがって、異なる年代の賃金・GDP・売上高などを名目値(その時々の金額そのまま)で比べると、物価上昇分だけ過大な「成長」に見えてしまう。
- 例:名目賃金が30年間で2倍になっても、物価も2倍なら生活水準(実質賃金)は変わっていない
- 逆にデフレ期には、名目賃金が横ばいでも実質賃金は上がっていることがある
そこで、消費者物価指数やGDPデフレーターで割って物価変動の影響を取り除いた実質値に変換(デフレート)して比較するのが原則である。
近年の日本で「名目賃金は上がったが物価上昇に追いつかず実質賃金は下がった」という報道が示すように、名目と実質の乖離自体が重要な経済問題であり、資料問題の定番の題材である。
ひっかけポイント
名目値の伸びをそのまま「豊かになった」と読ませる資料が定番。必ず「実質か名目か」を軸ラベルや注記で確認する習慣が問われる。
選択肢の確認
①「実質値とは、物価変動の影響を加算して膨らませた値のことである」
❌ 誤り。
誤答理由: 実質値は物価変動の影響を取り除いた(除去した)値であり、影響を加算して膨らませた値ではない。
②「物価が変動しても、貨幣の購買力は常に一定である」
❌ 誤り。
誤答理由: 物価が変動すれば同じ金額で買える量、すなわち貨幣の購買力は変化する。常に一定という記述は誤り。
③「物価水準が異なるため、名目値のままでは比較できず、物価変動を調整した実質値で比較する必要がある」
✅ 正しい。
正解。異なる年代では物価水準が異なるため、金額は物価指数で調整した実質値に直して比較するのが原則である。
④「金額データはいつの時代のものでも名目値のまま直接比較してよい」
❌ 誤り。
誤答理由: 名目値のままの比較は物価上昇分を成長と見誤らせる。時代をまたぐ比較にそのまま使ってよいという記述は誤り。
覚えるポイント
- 名目値は物価変動を含み、実質値は取り除いた値
- 時系列比較は実質値で行うのが原則
- 実質賃金=名目賃金を物価指数で調整したもの
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。