PE9-024公共・政治経済 対策問題

政治・経済B 現代日本の経済(2) 金融と財政

同じ金額の政府支出の増加と減税とを乗数理論で比較したときの説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

減税は増えた可処分所得の一部が貯蓄に回るため、国民所得を増やす効果は政府支出の増加より小さい

この問題のポイント

政府支出乗数と減税乗数の大小関係とその理由を問う。減税の第一歩が「全額需要になるとは限らない」点が核心。

解説

政府支出の増加は、その全額がまず最初の需要(公共投資など)として経済に注ぎ込まれる。
一方減税は、まず家計の可処分所得を増やすだけであり、家計はそのうち限界消費性向の分だけを消費に回し、残りは貯蓄に回る。つまり最初の一巡目の需要が、減税額×限界消費性向にとどまる。
このため理論上、

  • 政府支出乗数=1÷(1−限界消費性向)
  • 減税乗数=限界消費性向÷(1−限界消費性向)
    となり、減税乗数は政府支出乗数より小さい(限界消費性向0.8なら5対4)。
    ただし現実には、公共投資の効率性や実施までの時間、将来増税を見越して人々が消費を控える可能性など、単純な乗数では捉えられない要素も多い。理論値と現実の効果を分けて考える姿勢も問われる。

ひっかけポイント
「減税は直接家計に届くから効果が大きい」という直感を突く問題。一巡目に貯蓄へ漏れる分だけ、減税の乗数は小さい。

選択肢の確認

①「減税の方が政府支出の増加より国民所得を増やす効果が常に大きい」
誤り。
誤答理由: 大小関係が逆。全額が最初の需要になる政府支出の方が、一部が貯蓄に漏れる減税より乗数は大きい。

②「減税と政府支出の増加の効果は理論上完全に等しい」
誤り。
誤答理由: 理論上、政府支出乗数は1÷(1−c)、減税乗数はc÷(1−c)で等しくならない。完全に等しいという記述は誤り。

③「減税には国民所得を増やす効果が全くない」
誤り。
誤答理由: 減税にも消費増加を通じて国民所得を増やす効果はある。効果が全くないのではなく、政府支出より小さいだけである。

④「減税は増えた可処分所得の一部が貯蓄に回るため、国民所得を増やす効果は政府支出の増加より小さい」
正しい。
正解。減税はまず可処分所得を増やすだけで、一巡目に消費へ回るのは限界消費性向の分にとどまり残りは貯蓄に漏れる。このため減税乗数は政府支出乗数より1小さい。

覚えるポイント

  • 政府支出は全額が最初の需要になる
  • 減税は一部が貯蓄に漏れ、乗数が1小さい
  • 消費性向0.8なら支出乗数5・減税乗数4

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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