PE9-077公共・政治経済 対策問題

政治・経済B 現代日本の経済(4) 労働と社会保障

「高齢化率が上昇した」という資料の読み取りとして最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

高齢化率は総人口に占める65歳以上人口の割合なので、高齢者数が増えなくても総人口が減れば上昇することがある

この問題のポイント

統計の「実数」と「割合」の区別を問う。割合の変化は分子だけでなく分母の変化でも起こる、という読み取りの基本が核心。

解説

高齢化率は「65歳以上人口÷総人口」で計算される割合の指標である。
割合は分数なので、その変化には2つの経路がある。

  • 分子(高齢者数)の増加:長寿化により高齢者が増える
  • 分母(総人口)の減少:少子化により総人口が減る
    日本では現在、両方が同時に進んでいるが、将来推計では高齢者数自体が頭打ちになった後も、総人口の減少によって高齢化率は上昇し続けると見込まれている。「率の上昇=実数の増加」と短絡してはならない。
    この「実数と割合の区別」は、失業率(分母は労働力人口)、投票率、財政の対GDP比など、あらゆる統計資料の読解に共通する技能である。資料問題では、率の変化の原因を分子・分母のどちらに求めるかを選ばせる形式が頻出する。

ひっかけポイント
「率が上がった=人数が増えた」という読み替えの誤りを突く出題が定番。割合の変化は必ず分子と分母の両方を疑う。

選択肢の確認

①「高齢化率の上昇は、65歳以上の人口の実数が増えたことを必ず意味する」
誤り。
誤答理由: 率の上昇は分母の減少によっても起こるため、高齢者の実数増加を必ず意味するわけではない。

②「高齢化率と高齢者の実数は同じものである」
誤り。
誤答理由: 高齢化率は割合、高齢者数は実数であり、両者は別の統計量である。同一視は資料読解の典型的な誤りである。

③「総人口の増減は高齢化率に影響しない」
誤り。
誤答理由: 総人口は高齢化率の分母そのものであり、その増減は率に直接影響する。影響しないという記述は誤り。

④「高齢化率は総人口に占める65歳以上人口の割合なので、高齢者数が増えなくても総人口が減れば上昇することがある」
正しい。
正解。高齢化率は65歳以上人口÷総人口の割合なので、分子の高齢者数が変わらなくても、少子化で分母の総人口が減れば上昇する。

覚えるポイント

  • 高齢化率=65歳以上人口÷総人口
  • 分母(総人口)の減少でも率は上昇する
  • 実数と割合の区別は資料読解の基本技能

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

PE9-076PE9-078