PE9-088公共・政治経済 対策問題

政治・経済B 現代日本の経済(4) 労働と社会保障

合計特殊出生率と労働力人口の資料を組み合わせた読み取りとして最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

出生率の低下は約20年後の労働力人口の減少要因となるため、現在の少子化は将来の労働供給や社会保障の支え手に影響する

この問題のポイント

人口統計と労働統計を時間差でつなぐ読解を問う。出生率の変化が労働力に効くまでの「時間の遅れ」の理解が核心。

解説

合計特殊出生率は、1人の女性が生涯に産む子どもの数の平均を示す指標で、人口維持には約2.07が必要とされる。日本は1970年代半ばからこの水準を下回り続け、近年は1.3を下回る水準まで低下している。
重要なのは時間差である。今年生まれた子どもが労働市場に入るのは約20年後であるため、

  • 現在の労働力人口は、過去20〜60年の出生動向の結果
  • 現在の出生率低下は、将来の労働力人口・社会保障の支え手の減少要因
    となる。つまり少子化対策の効果が現れるにも数十年かかる。
    一方、目先の労働力人口は、女性や高齢者の就業率の上昇によってある程度支えられてきた。出生率・人口ピラミッド・労働力率という複数資料を時間軸上で正しくつなげられるかが、資料問題の評価ポイントとなる。

ひっかけポイント
出生率の低下が「直ちに」労働力を減らすとする時間差の無視が定番の誤り。人口統計は約20年遅れて労働市場に効く。

選択肢の確認

①「労働力人口は出生率だけで決まり、高齢者や女性の就業率は影響しない」
誤り。
誤答理由: 労働力人口は出生率だけでなく、女性や高齢者の就業率(労働力率)にも左右される。実際に近年の労働力はその上昇に支えられてきた。

②「出生率の低下は約20年後の労働力人口の減少要因となるため、現在の少子化は将来の労働供給や社会保障の支え手に影響する」
正しい。
正解。今年生まれた子どもが労働市場に入るのは約20年後であるため、現在の出生率低下は将来の労働力人口や社会保障の支え手の減少要因となる。

③「出生率の低下は、その年のうちに労働力人口を減少させる」
誤り。
誤答理由: 出生率の低下がその年の労働力人口を減らすことはない。人口動態は約20年の時間差を経て労働市場に現れる。

④「出生率と将来の労働力人口の間には何の関係もない」
誤り。
誤答理由: 出生動向は将来の生産年齢人口を規定するため、労働力人口と密接に関係する。無関係という記述は誤り。

覚えるポイント

  • 人口維持に必要な出生率は約2.07
  • 出生率低下は約20年後の労働力減少要因
  • 女性・高齢者の就業率上昇が当面の労働力を下支え

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 文を分解して判定:組合せを一度に選ばず、人物と政策、地域と制度などを一組ずつ○×判定する。確実に誤る一組を含む選択肢から消す。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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