PE9-089公共・政治経済 対策問題

政治・経済D 国際経済(4) 発展途上国と地球的課題

世界の二酸化炭素排出量に関する複数の資料を読み取る際の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

国別の総排出量と1人あたり排出量、累積排出量では国の順位が異なり得るため、どの指標を用いるかで責任の見え方が変わる

この問題のポイント

気候変動をめぐる複数指標の読み比べを問う。指標の選択がそのまま「誰が責任を負うべきか」という論争になる構造が核心。

解説

二酸化炭素排出量には複数の測り方があり、それぞれ違う国が「最大の排出者」に見える。

  • 総排出量(現在):中国が最大で、アメリカ、インドが続く
  • 1人あたり排出量:産油国や先進国が上位で、中国・インドは順位を下げる
  • 累積排出量(産業革命以来):長く工業化してきた先進国の比重が大きい
    この指標の違いは、気候変動交渉の対立と直結する。途上国は「温暖化の主因は先進国の累積排出であり、共通だが差異ある責任の原則に基づき先進国がより重い義務を負うべきだ」と主張し、先進国は「現在の排出増は新興国が中心だ」と応じる。京都議定書が先進国のみに削減義務を課し、パリ協定が全ての国の参加へ転換した経緯も、この対立の反映である。
    資料問題では、立場の異なる主張がそれぞれどの指標に依拠しているかを特定させる形式が頻出する。

ひっかけポイント
「総排出量最大=あらゆる指標で最大」とする単純化が定番の誤り。主張と指標の対応関係を見抜くのが読解の鍵。

選択肢の確認

①「国別の総排出量と1人あたり排出量、累積排出量では国の順位が異なり得るため、どの指標を用いるかで責任の見え方が変わる」
正しい。
正解。総排出量・1人あたり排出量・累積排出量では上位国の順位が異なるため、どの指標に依拠するかで排出責任の見え方が変わり、交渉上の対立に直結する。

②「総排出量の順位と1人あたり排出量の順位は常に一致する」
誤り。
誤答理由: 人口の大きい国は総排出量が大きくても1人あたりでは順位が下がるなど、指標間で順位は一致しない。

③「現在の総排出量が最大の国が、産業革命以来の累積排出量でも必ず最大である」
誤り。
誤答理由: 現在の総排出量最大の国と、産業革命以来の累積排出量の構成は異なる。累積では長く工業化してきた先進国の比重が大きい。

④「排出量の指標はどれを使っても議論の結論は同じになる」
誤り。
誤答理由: 指標の選択によって責任の所在の見え方が変わることこそが論争の核心であり、どれを使っても同じ結論にはならない。

覚えるポイント

  • 総排出量・1人あたり・累積で順位は異なる
  • 指標の選択が責任論の対立に直結する
  • 共通だが差異ある責任が途上国側の原則

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

PE9-088PE9-090