KO8-006|公共・政治経済 対策問題
囚人のジレンマが示す状況の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
各自が自分の利益だけを考えて合理的に行動すると、互いに協力した場合よりも悪い結果になる
この問題のポイント
囚人のジレンマの構造を問う。個々の合理的選択の積み重ねが全体として最適にならない、という点が核心。
解説
囚人のジレンマは、ゲーム理論の代表的なモデルである。共犯の2人が別々に取り調べを受け、相手と協力して黙秘するか、相手を裏切って自白するかを選ぶ。
各自にとっては、相手がどちらを選ぶとしても裏切る(自白する)方が自分の刑は軽くなるため、合理的に考えれば2人とも裏切りを選ぶ。しかしその結果は、2人とも黙秘(協力)した場合よりも悪いものになってしまう。
つまりこのモデルは、個人の合理的な選択の積み重ねが、社会全体では最適な結果をもたらさない場合があることを示している。だからこそ、話し合いによるルールづくりや制度による協力の保証、繰り返しの関係の中での信頼形成が必要になる。公共的な空間で合意形成が求められる理由を説明する題材として、共通テストで繰り返し出題されている。
ひっかけポイント
「個人の利益追求が必ず全体の利益になる」はアダム・スミス的な市場の説明を装った逆の内容。ジレンマはまさにその例外を示すモデルである。
選択肢の確認
①「各自が自分の利益を追求すれば、必ず社会全体の利益も最大になる」
❌ 誤り。
個人の利益追求が全体の利益に必ずつながるという見方は市場の価格メカニズムの説明であり、ジレンマはその例外を示すモデルである。
②「相手の選択が事前に分かっていれば、協力は決して成立しない」
❌ 誤り。
相手の選択が分かっていても協力が成立する場合はあり、繰り返しの関係や制度によって協力は可能になる。
③「参加者の人数が増えるほど、必ず協力が成立しやすくなる」
❌ 誤り。
人数が増えるほどただ乗りが生じやすく協力はむしろ難しくなる傾向があり、必ず成立しやすくなるとはいえない。
④「各自が自分の利益だけを考えて合理的に行動すると、互いに協力した場合よりも悪い結果になる」
✅ 正しい。
正解。囚人のジレンマでは各自にとって裏切りが合理的な選択となるが、両者が裏切ると互いに協力した場合より悪い結果になる。
覚えるポイント
- 各自の合理的選択(裏切り)が互いの協力より悪い結果を生む
- 個人の合理性と全体の最適が一致しない例
- ルール・制度・信頼による協力の保証が解決の鍵
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。