PE8-033公共・政治経済 対策問題

政治・経済B 現代日本の経済(3) 日本経済の歩みと課題

地球温暖化対策と囚人のジレンマの関係についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

各国が自国の削減コストを避けようとすると全体で削減が進まないため、パリ協定のような国際的枠組みで協力を確保する必要がある

この問題のポイント

温暖化問題をゲーム理論の構造で説明できるかを問う。ただ乗りの誘因と、それを防ぐ国際枠組みの必要性が核心。

解説

地球温暖化対策は、典型的な囚人のジレンマ(共有地の悲劇)の構造を持つ。
大気は世界共通の資源であり、削減の利益は全世界が享受する一方、削減のコストは各国が個別に負担する。このため各国には、他国の削減にただ乗り(フリーライド)して自国はコストを避けたいという誘因が働く。全ての国がそう行動すれば削減は進まず、気候変動の被害というすべての国にとって最悪の結果を招く。
この構造を打開するのが
国際的な枠組み
である。1997年の京都議定書は先進国のみに削減義務を課したが、2015年のパリ協定は、途上国を含むすべての締約国が削減目標(NDC)を作成・提出し、5年ごとに更新する仕組みをとった。目標の達成自体に法的拘束力はないが、進捗の報告と検証を通じて相互に監視し合うことで、協力を維持しようとしている。
公共で学ぶ思考の枠組みと国際政治の制度を結びつける、教科横断型の頻出テーマである。

ひっかけポイント
「放っておけば最適になる」は市場任せの誤り。地球環境という共有資源では、ただ乗りの誘因があるため制度による協力確保が不可欠。

選択肢の確認

①「各国が自国の削減コストを避けようとすると全体で削減が進まないため、パリ協定のような国際的枠組みで協力を確保する必要がある」
正しい。
正解。各国に削減コストを避けるただ乗りの誘因が働くため、パリ協定のような国際的枠組みで目標の提出・検証を制度化し協力を確保する必要がある。

②「各国が自由に行動すれば、国際的な取り決めがなくても最適な削減が自然に実現する」
誤り。
地球環境という共有資源では市場任せは機能せず、ただ乗りの誘因が削減を妨げる。自然に最適が実現するという説明は誤り。

③「温暖化対策は一国だけで完結する問題であり、国際協力は不要である」
誤り。
温室効果ガスは国境を越えて影響するため一国では完結せず、国際協力が不可欠である。

④「排出削減の費用は先進国だけが負担すれば問題は解決する」
誤り。
パリ協定は先進国・途上国を問わずすべての締約国が削減目標を提出する仕組みであり、先進国のみの負担では解決しない。

覚えるポイント

  • 温暖化対策はただ乗りの誘因を持つジレンマ構造
  • 京都議定書=先進国のみ義務、パリ協定=全締約国が目標提出
  • 制度的枠組みが協力を支える

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

PE8-032PE8-034