KO8-011公共・倫理 対策問題

公共A 公共の扉(2) 人間としての在り方生き方

センが提唱した「潜在能力(ケイパビリティ)」の考え方として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

所得だけでなく、人が実際に選択できる生き方の幅を豊かさの基準とする

この問題のポイント

センの潜在能力アプローチを問う。財や所得そのものではなく「何ができるか」という選択の幅に注目する点が核心。

解説

センはインド出身の経済学者で、アジア初のノーベル経済学賞を受賞した。彼は、豊かさや福祉を所得や財の量だけで測る考え方を批判した。
同じ所得があっても、健康状態や教育、社会環境によって、その人が実現できる生き方は大きく異なる。センは、栄養を満たす、教育を受ける、社会に参加するなど、人が「何になれるか、何ができるか」という実現可能な機能の幅を潜在能力(ケイパビリティ)と呼び、これを豊かさの基準とすべきだと主張した。
貧困とは単なる低所得ではなく
潜在能力の剥奪
である、という彼の考え方は、国連開発計画の人間開発指数(HDI)(平均寿命・教育・所得を総合)にも影響を与えた。ロールズの正義論を発展させ、人々の多様性に応じた支援の必要を説いた点も重要である。

ひっかけポイント
GDPや所得のみで豊かさを測る立場こそ、センが批判した対象。潜在能力は「持っている物」ではなく「できること」の幅である点を取り違えない。

選択肢の確認

①「国の豊かさはGDPの大きさのみで測定すべきである」
誤り。
GDPのみで豊かさを測る考え方こそセンが批判した対象であり、彼の主張とは正反対である。

②「人間の幸福は快楽の総量によってのみ決まる」
誤り。
快楽の総量で幸福を測るのは功利主義の考え方で、センの潜在能力アプローチとは異なる。

③「福祉の水準は平均寿命のみで比較すべきである」
誤り。
平均寿命のみの比較ではなく、センの影響を受けた人間開発指数も寿命・教育・所得を総合して測る。

④「所得だけでなく、人が実際に選択できる生き方の幅を豊かさの基準とする」
正しい。
正解。センは財や所得そのものではなく、人が実際に選び実現できる生き方の幅(潜在能力)を豊かさ・福祉の基準とすべきだと主張した。

覚えるポイント

  • セン=潜在能力(ケイパビリティ)アプローチ
  • 豊かさの基準は選択できる生き方の幅
  • 人間開発指数(HDI)に影響、貧困=潜在能力の剥奪

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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