KO8-024|公共・倫理 対策問題
日本の違憲審査制の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
すべての裁判所が、具体的な事件の裁判に付随して法令の違憲審査を行う
この問題のポイント
日本の違憲審査制の型を問う。付随的違憲審査制であり、審査権はすべての裁判所が持つ、という2点が判断軸。
解説
違憲審査権は、法律・命令・規則・処分が憲法に適合するかを審査する権限で、憲法81条が定める。憲法の最高法規性を裁判所が担保する仕組みであり、最高裁判所は「憲法の番人」と呼ばれる。
日本の制度の特徴は2つある。第一に、81条は最高裁を終審裁判所と定めているのであって、審査権自体は地方裁判所などの下級裁判所も含むすべての裁判所が持つ。第二に、アメリカ型の付随的違憲審査制を採用しており、具体的な事件を裁判する必要の範囲内で審査を行う。事件と無関係に法令そのものの合憲性を抽象的に審査する憲法裁判所(ドイツ型)は置かれていない。
最高裁による法令違憲の判断は、尊属殺重罰規定、薬事法距離制限、衆議院議員定数配分、在外選挙権制限、非嫡出子相続分など十数件にとどまり、司法消極主義と評されることもある。
ひっかけポイント
「最高裁のみが審査権を持つ」は誤りで、最高裁は終審であるにすぎない。抽象的審査を行う憲法裁判所型と付随的審査型の区別も頻出。
選択肢の確認
①「違憲審査権は最高裁判所だけが持ち、下級裁判所には認められていない」
❌ 誤り。
81条は最高裁を終審と定めるにすぎず、審査権自体は下級裁判所も持つ。最高裁のみとするのは誤り。
②「ドイツのように、事件と関係なく法令そのものを審査する憲法裁判所が置かれている」
❌ 誤り。
日本に事件と無関係に法令を審査する憲法裁判所は存在しない。抽象的審査制はドイツなどの制度である。
③「国会が制定した法律は違憲審査の対象にならない」
❌ 誤り。
81条は「一切の法律、命令、規則又は処分」を審査の対象と定めており、国会の法律も当然に対象となる。
④「すべての裁判所が、具体的な事件の裁判に付随して法令の違憲審査を行う」
✅ 正しい。
正解。日本は付随的違憲審査制を採用し、具体的事件の裁判に必要な範囲で、下級裁判所を含むすべての裁判所が違憲審査を行う。
覚えるポイント
- 違憲審査権はすべての裁判所が持つ(最高裁は終審)
- 日本は具体的事件に付随して審査する付随的違憲審査制
- ドイツ型の憲法裁判所は存在しない
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。