RN4-037公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(4) 仏教とインドの思想

竜樹(ナーガールジュナ)の思想についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

あらゆるものは縁起によって成り立つため固定不変の実体を持たないという空の思想を確立した

この問題のポイント

竜樹=空の思想=『中論』=中観派という対応と、空が縁起の徹底であるという論理を問う問題。

解説

竜樹(ナーガールジュナ)は、2〜3世紀頃の南インドの思想家で、大乗仏教の教理を初めて体系化した。主著は『中論』であり、その学統は中観派と呼ばれる。
竜樹の中心思想はである。あらゆるものは縁起、すなわち他との相互依存の関係の中でのみ成り立っている。それゆえ、どんなものも、それ自体として独立に存在する固定不変の本性(自性)を持たない。この無自性であることがである。
空は「何も存在しない」という虚無論ではない。ものは実体としては無いが、相互依存の関係(縁起)においては確かに現象している。竜樹は、実体として有るとする立場(有)と、まったく無いとする立場(無)の両極端を退け、その中道として空を説いた。
この思想は『般若経』の教えを理論化したものであり、東アジアの大乗仏教全体の哲学的基礎となった。

ひっかけポイント
梵我一如はウパニシャッド、不変の実体の肯定は空と正反対、苦行と不殺生の徹底はジャイナ教。空=虚無主義という誤解も選択肢に使われる。

選択肢の確認

①「厳しい苦行と不殺生の徹底によって業を滅ぼすことを説いた」
誤り。
誤答理由: 苦行と不殺生の徹底はジャイナ教のヴァルダマーナの教えであり、竜樹の思想ではない。

②「あらゆるものは縁起によって成り立つため固定不変の実体を持たないという空の思想を確立した」
正しい。
正解。竜樹は、あらゆるものは縁起によって成り立つゆえに固定不変の実体(自性)を持たないという空の思想を『中論』で確立した(中観派)。

③「宇宙の根本原理ブラフマンと自己との合一を説き、ウパニシャッド哲学を大成した」
誤り。
誤答理由: ブラフマンとの合一はウパニシャッド哲学の梵我一如であり、不変の実体を認めない竜樹の空とは対立する考え方である。

④「あらゆる存在には永遠不変の実体があると説き、無我説を否定した」
誤り。
誤答理由: 永遠不変の実体の肯定は無自性・空の正反対である。竜樹はあらゆる実体視を批判した。

覚えるポイント

  • 竜樹は『中論』で空の思想を確立(中観派)
  • 空=縁起ゆえの無自性であり虚無論ではない
  • 有無の両極端を離れた中道の立場

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。
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