RN4-036公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(4) 仏教とインドの思想

上座部仏教と大乗仏教の理想像の対比についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正解

上座部は修行を完成した阿羅漢を理想とし、大乗は衆生救済を誓う菩薩を理想とした

この問題のポイント

阿羅漢(上座部)と菩薩(大乗)という理想像の対比を問う問題。自利中心か自利利他かという方向性の違いを理解する。

解説

上座部仏教と大乗仏教の違いは、目指すべき理想の人間像に集約される。
上座部(部派仏教の伝統を継ぐ)では、出家して戒律を守り、修行を積んで煩悩を滅しつくした聖者、すなわち阿羅漢となることが目標である。まず自らが解脱すること(自利)が中心となる。
これに対し大乗の理想は菩薩である。菩薩は、自らの悟りを求める(自利)と同時に、すべての衆生を救済するという誓い(利他)を立て、六波羅蜜を実践する。自分ひとりが先に彼岸へ渡るのではなく、苦しむ衆生とともに歩むところに菩薩の本領がある。
大乗の側は、阿羅漢を目指すあり方を自分だけの救いにとどまる「小乗」と批判したが、これは一方の側からの呼称であり、今日では上座部仏教と呼ぶのが適切とされる。

ひっかけポイント
阿羅漢と菩薩の帰属の入れ替えが定番。上座部=阿羅漢=自利中心、大乗=菩薩=自利利他、という対応を固定して覚える。

選択肢の確認

①「両者はともに、祭式を執り行うバラモンを理想の人間像とした」
誤り。
誤答理由: バラモンは祭式を執り行うバラモン教の司祭階級であり、仏教のいずれの伝統でも理想の人間像とはされない。

②「上座部は快楽の追求を、大乗は極端な苦行をそれぞれ理想とした」
誤り。
誤答理由: 快楽と苦行はブッダが中道によって離れるべきとした両極端であり、どちらの部派の理想でもない。

③「上座部は修行を完成した阿羅漢を理想とし、大乗は衆生救済を誓う菩薩を理想とした」
正しい。
正解。上座部は修行を完成した聖者である阿羅漢を理想とし、大乗は自利利他をかねそなえ衆生救済を誓う菩薩を理想とした。

④「上座部は在家の菩薩を理想とし、大乗は出家した阿羅漢を理想とした」
誤り。
誤答理由: 帰属が入れ替わっている。菩薩は大乗の理想、阿羅漢は上座部の理想であり、また上座部は出家中心である。

覚えるポイント

  • 上座部の理想=阿羅漢(修行完成者)
  • 大乗の理想=菩薩(自利利他)
  • 小乗は蔑称であり上座部仏教と呼ぶ

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN4-035RN4-037