RN4-034|公共・倫理 対策問題
大乗仏教についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
自らの悟りだけでなくすべての衆生の救済を目指す菩薩を理想とし、中国・朝鮮・日本へ伝わった
この問題のポイント
大乗仏教の理想(菩薩・衆生救済)と伝播ルート(北伝)を問う問題。出家中心の部派仏教との対比がカギ。
解説
紀元前後のインドでは、出家者中心の部派仏教に対して、在家の信者も含めたすべての衆生の救済を目指す新しい仏教運動が起こった。彼らは自らの立場を、すべての人を乗せて彼岸へ渡る大きな乗り物=大乗と呼んだ。
大乗仏教の理想は菩薩である。菩薩とは、悟りを求めて修行しつつ(自利)、同時にすべての衆生を救おうと誓う(利他)存在であり、自利利他の完成を目指す。自己の解脱のみを目指すあり方は「小さな乗り物(小乗)」と批判された(この呼称は大乗側からの蔑称であり、現在は上座部仏教と呼ぶ)。
大乗仏教は『般若経』『法華経』などの経典を生み、竜樹(空の思想)や世親(唯識思想)によって理論化された。そして中央アジアを経て中国・朝鮮・日本へと北伝し、東アジアの文化を深く形づくった。
ひっかけポイント
南伝(スリランカ・東南アジア)は上座部の経路。大乗=菩薩・衆生救済・北伝、部派=阿羅漢・出家中心・南伝という対の整理が決め手。
選択肢の確認
①「自らの悟りだけでなくすべての衆生の救済を目指す菩薩を理想とし、中国・朝鮮・日本へ伝わった」
✅ 正しい。
正解。大乗仏教は自らの悟りとすべての衆生の救済をあわせ目指す菩薩を理想とし、中央アジアを経て中国・朝鮮・日本へ北伝した。
②「出家者だけが救われると説き、在家信者の救済の可能性を否定した」
❌ 誤り。
誤答理由: 出家者だけの救いを説いたのではなく、在家を含むすべての衆生の救済を目指したのが大乗仏教の出発点である。
③「スリランカから東南アジアへ伝わり、現在のタイやミャンマーの仏教の主流となった」
❌ 誤り。
誤答理由: スリランカから東南アジアへの南伝は上座部仏教の経路である。大乗は北伝であり、伝播ルートが入れ替わっている。
④「ブッダの教えを捨てて、ヴェーダの祭式主義に回帰した運動である」
❌ 誤り。
誤答理由: 大乗仏教はブッダの教えを衆生救済の方向へ発展させた運動であり、ヴェーダの祭式主義への回帰ではない。
覚えるポイント
- 大乗=すべての衆生を救う大きな乗り物
- 理想は自利利他をかねそなえた菩薩
- 中国・朝鮮・日本へ北伝、竜樹・世親が理論化
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。