RN-A4-02|公共・倫理 対策問題
仏教の展開についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
大乗仏教は、自分の悟りだけでなく、すべての人々の救済をめざす菩薩の実践を理想とし、中国・朝鮮を経て日本へ伝わった
この問題のポイント
仏教の二大潮流を問う問題。「大乗=菩薩・万人の救済・北伝」「上座部=出家中心・南伝」という対比で解ける。
解説
ブッダの死後、仏教教団は戒律や教義の解釈をめぐって分裂し、やがて二つの大きな流れが形成された。
上座部仏教は、出家者が戒律を守り、修行を通じて自らの解脱をめざす立場である。スリランカからタイ・ミャンマーなど東南アジアへ伝わったため、南伝仏教とも呼ばれる。
紀元前後に興った大乗仏教は、出家・在家を問わずすべての人(一切衆生)の救済を掲げた。その理想像が菩薩である。菩薩は悟りを求めて修行しつつ、慈悲の心をもって人々の救済(利他行)に努める存在であり、自利と利他の両立を特徴とする。大乗仏教は中央アジアから中国・朝鮮・日本へ伝わり(北伝仏教)、日本の仏教もこの系統に属する。
大乗の思想家としては、すべての事物は固定的な実体をもたないという空の思想を大成した**竜樹(ナーガールジュナ)**が重要である。
ひっかけポイント
大乗と上座部の伝播地域(北伝と南伝)の入れ替えが定番。菩薩は慈悲と利他行を本質とする存在であり、「自分の解脱のみ」「慈悲を退ける」はいずれも逆の説明。
選択肢の確認
①「大乗仏教は、出家者が厳しい修行によって自らの解脱のみをめざす立場を特徴とする」
❌ 誤り。
誤答理由: 出家者が自らの解脱をめざす立場は上座部仏教の特徴である。大乗仏教はこれを小乗と呼んで批判し、万人の救済を掲げた。
②「上座部仏教は主に中国や日本に伝わり、大乗仏教はスリランカや東南アジアに広まった」
❌ 誤り。
誤答理由: 上座部仏教はスリランカ・東南アジアへ(南伝)、大乗仏教は中国・朝鮮・日本へ(北伝)広まった。伝播地域が逆である。
③「菩薩とは、慈悲の実践を退けて知恵の探究のみに専念する修行者を指す」
❌ 誤り。
誤答理由: 菩薩は知恵の探究とともに慈悲による利他行を実践する存在であり、慈悲を退けるという説明は本質と正反対である。
④「大乗仏教は、自分の悟りだけでなく、すべての人々の救済をめざす菩薩の実践を理想とし、中国・朝鮮を経て日本へ伝わった」
✅ 正しい。
正解。大乗仏教は一切衆生の救済をめざす菩薩を理想とし、中国・朝鮮を経て日本へ伝わった北伝仏教の系統である。
覚えるポイント
- 上座部=自らの解脱・南伝(スリランカ・東南アジア)
- 大乗=一切衆生の救済・菩薩・北伝(中国・日本)
- 菩薩は自利と利他(慈悲の実践)を兼ねる理想像
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。