RN4-038公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(4) 仏教とインドの思想

世親らが大成した唯識思想についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

あらゆる事物は心の働きである識が生み出した表象にすぎないと説く大乗仏教の思想である

この問題のポイント

唯識=あらゆる存在は識(心の働き)の表れとする思想で、世親・無着の瑜伽行派に属することを問う問題。

解説

唯識思想は、竜樹の中観派と並ぶ大乗仏教の二大学派の一つで、4〜5世紀頃の無着(アサンガ)世親(ヴァスバンドゥ)の兄弟によって大成された。その学統は、ヨーガの実践を重んじたことから瑜伽行派と呼ばれる。
唯識とは「ただ識のみ」という意味である。私たちが外界の実在と思い込んでいる事物は、実は心の働きであるが生み出した表象にすぎない。心の最も深層には阿頼耶識と呼ばれる根本の識が想定され、過去の経験が種子として蓄えられて、そこからあらゆる現象が現れ出るとされた。
世界が心の表れであるならば、迷いの世界を転換する鍵も心の変革にある。ヨーガ(瞑想)の実践によって識のあり方を転じ、悟りの智慧に至ることが目指された。
唯識思想は中国の法相宗に受け継がれ、日本にも伝わって奈良の興福寺・薬師寺などで学ばれた。

ひっかけポイント
唯識は「心のみ」であり、物質のみとする唯物論とは正反対。竜樹=中観派=空、世親・無着=瑜伽行派=唯識という学派の対応も頻出。

選択肢の確認

①「あらゆる事物は心の働きである識が生み出した表象にすぎないと説く大乗仏教の思想である」
正しい。
正解。唯識思想は、あらゆる事物は心の働きである識が生み出した表象にすぎないと説く大乗仏教の思想で、無着・世親の兄弟が大成した。

②「物質だけが実在し、心は物質の運動にすぎないと説く唯物論の思想である」
誤り。
誤答理由: 物質のみを実在とする唯物論とは正反対で、唯識はただ識のみ、すなわち心の働きだけを認める立場である。

③「祭式によって神々を動かすことができると説くバラモン教の思想である」
誤り。
誤答理由: 祭式で神々を動かすという考え方はバラモン教のものであり、心の分析を深めた唯識思想とは無関係である。

④「個人の心の外に、永遠不変のイデア界が実在すると説く思想である」
誤り。
誤答理由: 心の外に永遠不変のイデア界が実在するというのはプラトンの思想であり、外界の実在性を認めない唯識とは正反対である。

覚えるポイント

  • 唯識=あらゆる事物は識の生み出した表象
  • 無着・世親の兄弟が大成(瑜伽行派)
  • 深層の識として阿頼耶識を想定

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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