RN4-039|公共・倫理 対策問題
孔子の説いた仁についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
人を愛する心であり、家族への孝悌を出発点として、真心の忠と思いやりの恕として実現される
この問題のポイント
孔子の仁の内実(孝悌・忠恕)を問う問題。身近な肉親への愛から出発する点が、墨家の兼愛との対比で問われる。
解説
春秋時代末期の孔子は、周の礼の文化が崩れた乱世にあって、社会秩序の回復を人間の内面の徳に求めた。その教えは弟子たちの編んだ『論語』に伝えられ、儒家の源流となった。
思想の中心が仁、すなわち人を愛する心である。仁は抽象的な博愛ではなく、まず親に孝行し兄長に従う孝悌という肉親への自然な情愛を根本とし、そこから他者へと押し広げられていく。
仁の実践の要として、孔子は忠(自分を偽らない真心)と恕(自分の心を推しはかって他人を思いやること)を挙げた。「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」(要旨)という言葉は、恕の内容を示すものとして名高い。
仁が形となって表れたものが礼であり、両者は表裏一体をなす。
ひっかけポイント
無差別平等の愛(兼愛)は墨子の思想で、身近な者への愛を重んじる孔子の仁とは対立する。無為自然は老荘、法と刑罰は法家の立場である。
選択肢の確認
①「血縁の親疎にかかわらず、すべての人をまったく平等に愛する兼愛のことである」
❌ 誤り。
誤答理由: 親疎の区別のない無差別平等の愛(兼愛)は墨子の思想であり、身近な者への愛から広げていく孔子の仁とは対立する。
②「人為的な愛情を捨てて、あるがままの自然に従って生きることである」
❌ 誤り。
誤答理由: 人為を捨てて自然に従う無為自然は老荘思想であり、道徳の実践を重んじる孔子の仁とは別系統である。
③「法と刑罰への恐れから生まれる、統治者への服従心のことである」
❌ 誤り。
誤答理由: 法と刑罰への恐れによる服従は法家の統治観であり、内面の愛としての仁とは正反対の発想である。
④「人を愛する心であり、家族への孝悌を出発点として、真心の忠と思いやりの恕として実現される」
✅ 正しい。
正解。仁は人を愛する心であり、肉親への孝悌を根本とし、真心の忠と思いやりの恕として実践される。
覚えるポイント
- 仁=人を愛する心、根本は孝悌
- 実践の要は忠(真心)と恕(思いやり)
- 己の欲せざる所は人に施すこと勿れ
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。