KO5-006|公共・倫理 対策問題
イエスが説いた愛のあり方の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
神の無差別・無償の愛にならい、敵をも含めて人を愛する隣人愛を説いた
この問題のポイント
キリスト教の中心にあるアガペーと隣人愛の理解を問う。律法の形式的遵守を批判したイエスの立場と、イスラームの五行との区別が鍵。
解説
イエスは1世紀初めのパレスチナで教えを説いた。当時のユダヤ教では、モーセに授けられた律法を厳格に守ることが重んじられ、パリサイ派の人々は律法を守れない人々を罪人として見下していた。
イエスはこうした律法の形式的な遵守を批判し、律法の根本精神は神への愛と隣人愛にあるとして、律法を内面化した。
神の愛(アガペー)は、正しい者にも正しくない者にも太陽を昇らせる無差別・無償の愛である。人間はこの神の愛にならい、敵をも愛し、自分を迫害する者のために祈るべきだと説いた。山上の説教では、心の貧しい人々、悲しむ人々こそ幸いであると語られた。
自分にしてもらいたいことを人にもせよという黄金律は、その教えの核心を示す。イエスの死後、その教えは弟子たちによって世界宗教としてのキリスト教へと発展した。
ひっかけポイント
イエスは律法を全否定したのではなく、形式主義を批判して精神を内面化した。五行はイスラームの実践であり、アガペー・隣人愛と入れ替える宗教間の混同が定番の型。
選択肢の確認
①「断食や喜捨などの五行の実践を信者の義務として定めた」
❌ 誤り。
誤答理由: 断食・喜捨などの五行はイスラームで定められた信者の義務であり、イエスの教えではない。宗教間の実践の混同を突く選択肢。
②「苦行によって身体を痛めつけることでのみ魂は救われると説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 苦行のみによる救いはイエスの教えにはない。仏教のブッダも苦行を捨てて中道に立った。イエスの中心は神の愛と隣人愛である。
③「神の無差別・無償の愛にならい、敵をも含めて人を愛する隣人愛を説いた」
✅ 正しい。
正解。イエスは、正しい者にもそうでない者にも注がれる神の無差別・無償の愛(アガペー)にならい、敵をも愛する隣人愛を説いた。山上の説教や黄金律がその核心を示す。
④「律法を形式どおり厳格に守ることだけが救いの条件であると説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: イエスはパリサイ派の律法の形式的な遵守をむしろ批判し、律法の根本精神である神への愛と隣人愛を内面化して説いた。方向が逆である。
覚えるポイント
- アガペーは神の無差別・無償の愛
- 神への愛と隣人愛が律法の根本精神
- 山上の説教と黄金律、律法の形式主義を批判
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。