RN4-004公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(3) キリスト教とイスラーム

イエスの律法についての態度の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

律法を廃棄するのではなく、その精神である神への愛と隣人への愛を内面から実現することを求めた

この問題のポイント

イエスの律法観を問う問題。律法の否定ではなく「内面化・完成」であるという捉え方ができるかがカギ。

解説

イエスの時代のユダヤ教では、律法の規定を形式的に守ることが重んじられ、守れない病人や貧しい人々が罪人として差別されていた。
イエスはこうした律法主義を批判したが、律法そのものを否定したのではない。「わたしが来たのは律法を廃するためではなく、成就するためである」(要旨)と述べ、律法の精神、すなわち神を愛し人を愛する愛の教えを内面から実現することを求めた。これを律法の内面化という。
例えば殺人の禁止について、行為だけでなく心の中で兄弟を憎むことがすでに罪であると説き(山上の垂訓)、外面的な行為の規制を、内面の心のあり方の問題へと深めた。
この立場は、律法の遵守を誇るパリサイ派の偽善への批判と表裏一体である。

ひっかけポイント
イエス=律法の全否定、という選択肢が定番の誤り。「廃するためでなく成就するため」という言葉の趣旨(内面化・完成)を押さえる。

選択肢の確認

①「律法の形式を細部まで厳格に守りさえすれば、心の中で何を思っていてもよいと説いた」
誤り。
誤答理由: 形式さえ守れば内心は問わないという態度は、イエスが批判したパリサイ派的な律法主義そのものである。イエスは心の中の憎しみさえ罪とした。

②「律法は神との契約として不要であり、人間は本能のままに生きるべきだと説いた」
誤り。
誤答理由: イエスは律法そのものを否定していない。廃棄ではなく完成・内面化がイエスの立場であり、本能のままの生を説いたのでもない。

③「律法よりも神殿への供え物の量こそが救いを決めると説いた」
誤り。
誤答理由: 供え物の量が救いを決めるという発想は、イエスが批判した外面的・形式的な信仰にあたる。重要なのは内面の愛である。

④「律法を廃棄するのではなく、その精神である神への愛と隣人への愛を内面から実現することを求めた」
正しい。
正解。イエスは律法を廃するためでなく成就するために来たと述べ、律法の精神である神への愛と隣人愛を内面から実現する律法の内面化を説いた。

覚えるポイント

  • イエスは律法を内面化し、その精神=愛を強調
  • 山上の垂訓で心のあり方まで問うた
  • 形式的な律法主義(パリサイ派)を批判

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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