RN8-032|公共・倫理 対策問題
レヴィ=ストロースが『悲しき熱帯』などで批判した態度として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
自らの文化を基準として、他の文化を遅れた劣ったものと見なす自民族中心主義
この問題のポイント
レヴィ=ストロースの批判の対象を問う。彼が退けたのは自民族中心主義であり、擁護したのが文化相対主義の見方であるという対応関係が決め手。
解説
レヴィ=ストロースは、ブラジル奥地の先住民社会での調査体験をつづった紀行『悲しき熱帯』などを通じて、西洋文明の思い上がりを鋭く批判した。
批判の的となったのは、自分の属する文化の価値観を普遍的な基準とみなし、それに合わない他の文化を野蛮で遅れたものと決めつける態度、すなわち自民族中心主義(エスノセントリズム)である。大航海時代以来、西洋はこの態度によって植民地支配や先住民文化の破壊を正当化してきた。
これに対して彼は、どの文化もそれぞれ固有の構造と論理を持つ対等な体系であり、文化の間に優劣の序列はつけられないという文化相対主義の見方を、人類学の調査に基づいて示した。未開社会の野生の思考が科学に劣らぬ論理性を持つという主張は、その根拠である。
異文化理解や多文化共生が課題となる現代において、彼の批判は異文化を尊重する倫理の理論的支柱となっている。
ひっかけポイント
批判した対象(自民族中心主義)と、彼自身の立場(文化相対主義)の入れ替えが定番のひっかけ。設問がどちらを聞いているかを丁寧に読むこと。
選択肢の確認
①「言語を社会的な体系として研究する構造言語学」
❌ 誤り。
構造言語学はソシュールに始まる方法で、彼が人類学に応用した拠り所であり、批判の対象ではない。
②「未開社会の神話に論理的な構造を見いだす研究方法」
❌ 誤り。
神話に論理的構造を見いだす研究は彼自身の構造人類学の方法であり、批判した態度ではない。
③「自らの文化を基準として、他の文化を遅れた劣ったものと見なす自民族中心主義」
✅ 正しい。
正解。レヴィ=ストロースは、自文化を基準に他文化を遅れたものとみなす自民族中心主義(エスノセントリズム)を批判した。
④「異なる文化をそれぞれ対等なものとして尊重する文化相対主義」
❌ 誤り。
文化相対主義は批判の対象ではなく、彼自身の拠って立つ見方である。設問は批判した態度を問うている。
覚えるポイント
- 批判対象は自民族中心主義(エスノセントリズム)
- 立場は文化相対主義、文化に優劣なし
- 『悲しき熱帯』はその古典的な紀行・文明批判
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。