RN8-043公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(7) 現代の思想

サンデルによるロールズ批判の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

人間を共同体から切り離された負荷なき自己とみなしている点を批判し、共同体の共通善を重視した

この問題のポイント

サンデルのコミュニタリアニズムの立場を問う。負荷なき自己という人間観への批判と、共通善の重視という2つのキーワードが決め手。

解説

サンデルはアメリカの政治哲学者で、共同体を重視するコミュニタリアニズム(共同体主義)の代表者である。
彼は、ロールズの正義論が前提とする人間観を批判した。無知のヴェールの下で原理を選ぶ人間とは、家族・地域・歴史や文化といった
あらゆる所属や価値観から切り離された自己
、すなわち負荷なき自己である。しかし現実の人間は、特定の共同体の中に生まれ、その物語や価値を引き受けて自分が何者かを理解する、位置づけられた自己である。共同体の絆から切り離された自己を出発点とする正義論は、人間の現実を見誤っている、というのである。
そのうえでサンデルは、正義は個人の権利の枠組みだけでは完結せず、共同体のメンバーが共に討議して育む共通善と結びつけて考えるべきだと主張した。ハーバード大学での対話型講義でも知られ、市民が善き生や正義を公共の場で語り合うことの意義を説き続けている。

ひっかけポイント
最小国家はノージック、潜在能力はセン、質的功利主義はミルの立場。サンデル=負荷なき自己への批判+共通善、という組合せで覚える。

選択肢の確認

①「人間を共同体から切り離された負荷なき自己とみなしている点を批判し、共同体の共通善を重視した」
正しい。
正解。サンデルは、ロールズの前提する人間像を共同体から切り離された負荷なき自己と批判し、共同体の共通善を重視した。

②「再分配が個人の所有権を侵害する点を批判し、最小国家を主張した」
誤り。
再分配を所有権の侵害として最小国家を主張したのはノージックであり、サンデルの批判の論点ではない。

③「財の分配だけに注目している点を批判し、潜在能力の平等に着目した」
誤り。
財の分配への偏りを批判して潜在能力に着目したのはセンであり、サンデルの人間観批判とは別である。

④「快楽の計算が不可能である点を批判し、質的功利主義を唱えた」
誤り。
快楽計算の不可能性の指摘や質的功利主義はミルにかかわる論点であり、サンデルのロールズ批判ではない。

覚えるポイント

  • サンデルはコミュニタリアニズムの代表
  • ロールズの人間観を負荷なき自己と批判
  • 共同体の討議で育まれる共通善を重視

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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