RN8-046公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(7) 現代の思想

レヴィナスが『全体性と無限』で展開した西洋哲学への批判として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

他者を自我の理解の枠組みに取り込み、同一性の体系へ回収してきた全体性の思考を批判した

この問題のポイント

『全体性と無限』の批判の矛先を問う。他者を自己と同じものへ還元する全体性の思考への批判である点をつかむ。

解説

レヴィナスの主著『全体性と無限』は、西洋哲学の伝統への根本的な批判の書である。
彼によれば、西洋の哲学は、あらゆる存在をひとつの原理や体系によって説明しようとしてきた。そこでは、自分と異なる他者もまた、自我の理解の枠組みに取り込まれ、自己と同じもの(同)へと還元されてしまう。異質なものを認めず、すべてを一望のもとに収めようとするこの思考をレヴィナスは全体性の思考と呼んだ。そして、個人を全体の部品として動員する戦争全体主義は、この思考の帰結にほかならないと診断した。
これに対して彼は、どれほど理解しようとしても自我の枠に収まりきらない他者の無限の側面に注目する。他者のは、私の理解を超えたところから私に責任を呼びかけてくる。この他者との倫理的な関係こそが、存在の認識よりも根源的である。倫理こそ第一哲学であると述べて、哲学の土台を認識から他者への責任へと据え直した点に、彼の思想の革新性がある。

ひっかけポイント
全体性は肯定される理想ではなく批判される思考様式。他者を同質とみなす発想や世界の全体への統合は、彼が退けたものの側である。

選択肢の確認

①「戦争を防ぐためには世界を単一の全体に統合すべきだと主張した」
誤り。
世界の単一の全体への統合はまさに全体性の思考であり、レヴィナスはそこに戦争や全体主義の根をみた。

②「他者を自我の理解の枠組みに取り込み、同一性の体系へ回収してきた全体性の思考を批判した」
正しい。
正解。レヴィナスは、他者を自我の理解の枠組みに取り込み同一性の体系へ回収する西洋哲学の全体性の思考を批判した。

③「他者はどこまでも自我と同質な存在であるという考えを擁護した」
誤り。
他者を自我と同質とみなす考えは、他者の絶対的な他性を強調したレヴィナスが退けたものである。

④「西洋哲学が他者への責任をあまりに重視しすぎたことを批判した」
誤り。
西洋哲学は他者への責任を重視しすぎたのではなく、むしろ他者を体系に回収して見失ってきた、というのが彼の批判である。

覚えるポイント

  • 全体性の思考=他者を同一性の体系へ回収する西洋哲学
  • その帰結として戦争・全体主義を診断
  • 他者の無限と向き合う倫理を第一哲学とした

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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