RN6-043公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

カントの批判哲学が合理論と経験論に対してとった立場の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

認識の内容は経験から与えられるが、認識の形式は主観に備わるとして、経験論と合理論を批判的に総合した

この問題のポイント

カント哲学の思想史上の位置づけを問う問題。「内容は経験から・形式は主観から」という総合の仕方を理解しているかがポイント。

解説

合理論は生得的な理性を知識の源泉としたが、経験を軽んじて独断論に陥る危うさがあった。経験論は知識を経験に基づけたが、徹底するとヒュームのように因果関係の必然性まで疑う懐疑論に行き着いた。カント自身、ヒュームによって「独断のまどろみ」を破られたと述べている。
カントは両者をこう総合した。「われわれの認識はすべて経験とともに始まるが、だからといってすべてが経験から生じるのではない」(要旨)。すなわち、認識の素材(内容)は経験から与えられるが、それを秩序づける形式(空間・時間、カテゴリー)は経験に先立って主観に備わっている。
こうして、経験に基づきながらも普遍的で必然的な認識(例えば自然科学の認識)がいかにして可能かが説明された。これが批判哲学の基本的立場である。

ひっかけポイント
カントはどちらか一方への全面加担でも全面否定でもなく、両者の一面の真理を組み合わせた。「内容は経験・形式は主観」という標語で覚える。

選択肢の確認

①「合理論の主張を全面的に採用し、経験はいかなる役割も果たさないとした」
誤り。
誤答理由: カントは合理論に全面的に与したのでもない。認識の内容が経験から与えられることを認める点で経験論の一面を採用している。

②「経験論も合理論も完全に否定し、確実な認識は不可能だとする懐疑論に立った」
誤り。
誤答理由: カントは懐疑論に立ったのではなく、ヒュームの懐疑に触発されつつ、普遍的で必然的な認識がいかに可能かを基礎づけようとした。

③「認識の内容は経験から与えられるが、認識の形式は主観に備わるとして、経験論と合理論を批判的に総合した」
正しい。
正解。カントは、認識の内容(素材)は経験から与えられ、認識の形式は主観に備わるとして、経験論と合理論を批判的に総合した。

④「経験論の主張を全面的に採用し、合理論の要素をすべて退けた」
誤り。
誤答理由: カントは経験論に全面的に与したのではない。経験に先立つ主観の形式を認める点で合理論の一面も取り入れている。

覚えるポイント

  • 合理論の独断論と経験論の懐疑論をともに乗り越えた
  • 認識の内容は経験から、形式は主観から
  • ヒュームの懐疑がカントを目覚めさせた

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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