RN6-042公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

カントの認識論についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

認識は感性が受け取った素材を悟性が概念によって整理することで成立し、現象の背後にある物自体は認識できないとした

この問題のポイント

感性と悟性の協働、および現象と物自体の区別というカント認識論の骨格を問う問題。認識の限界の設定がポイントである。

解説

カントによれば、認識は二つの能力の協働によって成立する。感性は、空間・時間という形式を通じて対象から素材(直観)を受け取る受容の能力であり、悟性は、その素材を因果性などのカテゴリー(純粋悟性概念)によって整理し統一する思考の能力である。「内容を欠く思考は空虚であり、概念を欠く直観は盲目である」(要旨)という言葉は、両者のどちらが欠けても認識が成り立たないことを示している。
こうして人間が認識できるのは、主観の枠組みを通して現れた
現象
の世界に限られる。現象の背後にあるあるがままの物自体は、決して認識できない。
この認識の限界の画定は、理性の越権的な使用を戒めると同時に、道徳や自由の領域を確保するというカントの批判哲学の戦略でもあった。

ひっかけポイント
感性と悟性はどちらか一方では認識を成立させられない。また認識できるのは現象のみで、物自体は認識できないという限界の設定を逆にする誤答に注意。

選択肢の確認

①「悟性の概念だけを働かせれば、感性の助けなしに物自体を完全に認識できるとした」
誤り。
誤答理由: 悟性だけでは認識は成立せず、また物自体はいかなる仕方でも認識できないとされた。概念を欠く直観は盲目、内容を欠く思考は空虚である。

②「認識には感性の経験だけで十分であり、悟性の概念は不要だとした」
誤り。
誤答理由: 感性の経験だけで認識が成立するという理解は経験論に近く、悟性の概念による整理を不可欠としたカントの立場に反する。

③「人間が認識できるのは物自体だけであり、現象は幻影にすぎないとした」
誤り。
誤答理由: 人間が認識できるのは現象のみであり、物自体は認識できないというのがカントの結論である。記述は関係が逆である。

④「認識は感性が受け取った素材を悟性が概念によって整理することで成立し、現象の背後にある物自体は認識できないとした」
正しい。
正解。カントは、感性が受け取る直観の素材を悟性がカテゴリーで整理して認識が成立するとし、現象の背後の物自体は認識できないとした。

覚えるポイント

  • 感性(直観の受容)と悟性(概念による整理)の協働
  • 認識できるのは現象のみ、物自体は認識できない
  • 認識の限界の画定が批判哲学の核心

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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