RN-B4-01公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

カントの倫理思想についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

カントは、無条件に『〜せよ』と命じる定言命法に従い義務に基づいて行為することを道徳とし、人格を単に手段としてのみ扱わず、常に同時に目的として扱うべきだと説いた

この問題のポイント

カントの義務論を問う問題。「定言命法(無条件の命令)」と「人格の尊厳(目的として扱う)」という2つの核心概念の正確な定義で解ける。

解説

カントは、行為の道徳的価値を結果ではなく動機に求めた(動機主義)。同情や利益からではなく、道徳法則への尊敬から、義務に基づいて行為するときにのみ、その行為は道徳的価値をもつ。
道徳法則は、「もし〜を望むなら〜せよ」という条件つきの仮言命法ではなく、無条件に「〜せよ」と命じる定言命法の形をとる。「あなたの意志の格率が、常に同時に普遍的立法の原理として妥当するように行為せよ」がその根本形式である。
自らの理性が立てた道徳法則に自ら従うことをカントは自律と呼び、そこにこそ真の自由があるとした。自律の主体としての人間は、価格に代えられない尊厳をもつ人格である。だから「あなた自身や他者のうちにある人間性を、単に手段としてのみ扱わず、常に同時に目的として扱え」と命じられる。すべての人格が互いを目的として尊重し合う理想の共同体が目的の国である。
この義務論は、結果としての幸福を基準とする功利主義と対比される。

ひっかけポイント
定言命法と仮言命法の定義の入れ替えが最頻出。「結果の幸福量で善悪が決まる」は功利主義の立場でカントとは正反対。目的の国は互いを目的として扱う共同体である。

選択肢の確認

①「カントは、行為の善悪はもっぱらその結果がもたらす幸福の量によって決まると考えた」
誤り。
誤答理由: 結果のもたらす幸福の量で善悪を判定するのは功利主義の立場である。カントは動機を重視する義務論の立場をとった。

②「定言命法とは、『もし〜を望むなら〜せよ』という条件つきの命令のことである」
誤り。
誤答理由: 条件つきの命令は仮言命法である。定言命法は無条件に「〜せよ」と命じる道徳法則の形式を指す。

③「カントのいう目的の国とは、各人が互いを手段としてのみ扱い合う社会のことである」
誤り。
誤答理由: 目的の国はすべての人格が互いを目的として尊重し合う理想の共同体であり、互いを手段としてのみ扱う社会はその正反対である。

④「カントは、無条件に『〜せよ』と命じる定言命法に従い義務に基づいて行為することを道徳とし、人格を単に手段としてのみ扱わず、常に同時に目的として扱うべきだと説いた」
正しい。
正解。カントは無条件の定言命法に従う義務に基づく行為に道徳的価値を認め、人格を常に同時に目的として扱えと説いた。

覚えるポイント

  • 動機主義=義務に基づく行為のみが道徳的価値をもつ
  • 定言命法=無条件の命令、仮言命法=条件つき
  • 人格は目的として扱う→目的の国、自律としての自由

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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